〈止まるか挑発北朝鮮情勢を聞く〉米、ICBM凍結で取引も 韓 国外国語大学碩座教授尹徳敏氏 2017/8/12 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「〈止まるか挑発北朝鮮情勢を聞く〉米、ICBM凍結で取引も 韓国外国語大学碩座教授尹徳敏氏」です。





 ――2度にわたり大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した北朝鮮の核能力をどう見ますか。

 「常にわれわれは過小評価する傾向がある。北朝鮮は核兵器を生存のための防御用と判断しているが、祖父の代から50年以上、一貫して核ミサイルに投資し、100万単位の餓死者が出る中でも投資をやめなかった。核兵器は1940年代、ICBMは60年代にそれぞれ確立された技術だ。長期間、国家的に資源を投資している北朝鮮にとって難しいハードルではない」

中ロの履行疑問

 ――脅威のレベルは。

 「北朝鮮が(中距離の)ノドンミサイルを開発した90年代後半に韓国と日本はすでに射程圏に入っていた。5度の核実験を実施した北朝鮮が核を小型化できない方がおかしい。グアムまでも核の射程圏に入って、もはや残されたのは米本土まで攻撃できるICBMの開発だけだ」

 ――国連安全保障理事会の追加制裁決議は北朝鮮の変化を促す効果があるでしょうか。

 「加盟国が履行しなければ何の意味もないのに最も重要な中国とロシアが信頼できるかは疑問だ。中国は北朝鮮が挑発しなければいいと考えている。米国との関係が悪化するからだが、核については北朝鮮が持とうが作ろうが、大きな優先課題ではないようだ。唯一の社会主義の兄弟国である北朝鮮の崩壊を望んでいない。強力な民主主義国家の米国の同盟国である韓国と国境を向き合うのを嫌がっている」

 ――北朝鮮の次の一手をどう見ますか。

 「いまは既成事実化する段階で、自分にできる能力はすべてを見せようとするだろう。これまでも自分のスケジュールに沿って着実に実施してきた。6回目の核実験の可能性はいくらでもある」

韓国、対話は限界

 ――米政権が軍事行動に出る可能性は。

 「2つのケースがある。トランプ大統領は中国の協力を通じて問題を解決するという枠組みの中にまだいるようだが、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が引き続きICBMを開発し配備すれば、軍事オプションのほかに解決方法がないという状況まで行くこともあり得る。その場合、北朝鮮は韓国と日本に多大な被害を与えられるが、米国を滅ぼすことはできず、自分の政権が滅びる」

 「(もう一つは)北朝鮮が『ICBMを放棄できる』と話し、(開発を)凍結する一方で『我々の核能力をそのまま黙認してほしい、米国とは戦略的関係で平和協定を締結しよう』という取引を提案するシグナルを送れば、トランプ政権が交渉を開始する可能性がある。その可能性が70%あるとみている」

 ――韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮との対話も進めるべきだと主張しています。

 「2007年10月の南北首脳会談の延長線で再び太陽政策をしようとする意識が強かったが、ここ10年間の変化がわからなかったのだ。北朝鮮は今やそんな段階ではない。米国に最後の勝負をかけている」

 「北朝鮮は外交上手だ。弱点にうまくつけ込む。(日米韓中ロ)5カ国が確実に対処すれば北朝鮮を動かせる。核に固執すると大きな戦略的費用になり、政権に脅威となるというレベルの圧迫や制裁を5カ国が同時に作らなければならない」

(聞き手はソウル支局長 峯岸博)

=随時掲載

 ユン・ドクミン 最近2代の保守政権で大統領に外交・安保政策を助言。5月まで外交官を養成する国立外交院の院長を務めた。57歳



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