「ドゥテルテノミクス」始動 インフラ整備に7.9兆円 2017/5/2 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「「ドゥテルテノミクス」始動 インフラ整備に7.9兆円」です。





 【マニラ=遠藤淳】フィリピンのドゥテルテ大統領がインフラ開発を軸とした経済政策を始動させる。今後3年間で3兆6000億ペソ(約7兆9000億円)を投じ、マニラ首都圏や地方都市に鉄道網などを整備する。インフラ整備資金は積極的な首脳外交で日本と中国から取り付けた経済支援を活用。脆弱な公共インフラを改善し、7~8%の経済成長を目指す。

フィリピンのドゥテルテ大統領(マニラのマラカニアン宮殿)

 ドゥテルテ政権はこのほど経済政策「ドゥテルテノミクス」を発表した。柱となっているのがインフラ整備。3年間のインフラ投資のうち6割強を交通分野に振り向ける。建設工事などで年100万人超の雇用を生み出すことを狙う。

 旗艦事業がマニラに整備する同国初の地下鉄だ。日本の政府開発援助(ODA)による整備を検討しており、11月に日本政府と署名を交わしたい意向だ。ほかにマニラから約600キロメートル南東に延びる南北鉄道南線や地方空港の拡張・整備など大型案件が並ぶ。

 政府がまとめた6カ年計画「フィリピン開発計画」では、経済成長率を中期的に7~8%に高め、貧困率を15年の21.6%から14%に引き下げる目標を掲げた。「この国にはインフラが足りない」。脆弱なインフラが成長を妨げていると訴えるドゥテルテ氏は自らの任期を「インフラ黄金時代」と呼び、交通網を改善して高成長を目指す。

 インフラ整備には予算を手厚く配分する。17年予算でのインフラ整備費は約8600億ペソ。アキノ前政権当初の10年ごろには国内総生産(GDP)比で1.8%だったが、5.4%に引き上げた。22年には7.4%まで高める。

 それでも不足する原資には外国からの支援を充てる。昨年10月に中国・北京で習近平国家主席と会談し、240億ドル(約2兆6000億円)の経済支援を獲得。日本からは官民で1兆円の経済協力を取り付けた。

 4月29日にマニラで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議。「仲裁判決を取り上げるべきだ」。中国が軍事拠点化を進める南シナ海の問題で、中国の主権主張を全面的に否定した仲裁裁判所の判決を取り上げるよう複数の国が求めたが、議長国フィリピンは取り合わなかった。

 ドゥテルテ氏は経済支援を得るため、南シナ海問題で中国に対して領有権の主張を封印する。中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議に出席するため近く北京を訪問。習近平国家主席と2度目の会談を行う予定だ。

 日本との関係も強化。6月に日本を訪れ、安倍晋三首相と会談する方向だ。日中間のバランス外交で経済支援を具体化させたい思惑が透ける。国民からの高い支持を維持し、安定した政権運営を続けるには、インフラ整備を着実に進められるかがカギとなりそうだ。



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