「中国市場厳しく」4割 日中韓経営者の不安浮き彫り 人 件費など上昇、設備過剰問題も影 2017/1/6 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のアジアBiz面にある「「中国市場厳しく」4割 日中韓経営者の不安浮き彫り 人件費など上昇、設備過剰問題も影」です。





 日本経済新聞社が中国、韓国の有力紙と実施した「日中韓経営者アンケート」で、中国市場への厳しい見方が浮き彫りになった。2017年に「厳しくなる市場」として中国を挙げた経営者は日中韓の3カ国すべてで最も多く、全体で4割を超えた。人件費をはじめとした事業コストの上昇や、生産設備などの過剰問題が影を落としている。(1面参照)

 自社の製品・サービスの市場として17年に前年よりも厳しくなる地域を3つまで聞いたところ、日本では19.0%の経営者が中国と答えた。中韓の経営者の中国市場に対する警戒感はさらに強く、中国では41.0%、韓国で69.2%に達した。

 中国経済の成長鈍化が続くとの見方が多く、自社の事業の見通しを厳しくしている。世界経済と自社ビジネスの不安要因についての質問(3つまで回答)では「中国経済の成長率鈍化」は日本の経営者で首位の62.0%。中国も46.0%、韓国も62.5%となり、それぞれ米国の利上げに続く2位となった。

 成長鈍化の理由としては、人件費などのコスト上昇や、幅広い業種にまたがる設備と生産の過剰問題があるとの見方が多い。中国企業の成長鈍化の理由を聞いた質問で、日本の経営者の回答は「人件費などコスト上昇」と「供給過剰」がともに55.0%で首位。韓国もそれぞれ2位(40.4%)と3位(27.9%)だった。

 韓国企業の場合、中韓関係の悪化も中国事業に影を落とす。

 韓国による米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)導入に中国は反発。配備先の土地を提供した韓国ロッテの中国の事業所に対し、中国当局は昨年末、消防や衛生点検、さらには税務調査に乗り出した。韓国ではTHAAD配備に協力したことへの報復措置との見方が広がる。

 トランプ氏の米大統領就任に対し、中韓の経営者は4~5割が「悪影響がある」と回答しており、北米市場への見方も厳しい。17年に「厳しくなる地域」では「北米」との回答が中国で36.0%と2番目に多く、韓国でも29.8%で3番目に多かった。

 トランプ氏は製造業の振興による雇用拡大を重視する。ただ、生産拠点の国外移転を阻止した例は出ているものの、米国への生産拠点回帰にまでつながるとの見方は少ない。東京大学の新宅純二郎教授は「米国生産が可能なのは自動車や航空機など付加価値の高いものに限られる。新興国の工場の現場力は高まっている」とみている。

 同じアジアでも東南アジア市場に対する経営者の懸念は小さいようだ。日本の経営者だけに聞いた「有望な市場」では東南アジアが63.0%で首位。一方、インドなど南西アジア市場を厳しいとみる日本企業が0%なのに対し、中国企業は12.0%と差が出た。

 東京=安川寛之、渡辺禎央、安西明秀、ソウル=加藤宏一

 調査の概要 日中韓経営者アンケートは、日本経済新聞、韓国の毎日経済新聞、中国・人民日報系日刊紙の環球時報の3紙が共同で2016年12月に実施した。日本と中国は各100社、韓国は104社の経営者が回答した。回答企業の主な業種は各国で製造業が最も多く、日本では50%、中国は48%、韓国は58%だった。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です