「同盟国、強力な貿易協定を」バノン前首席戦略官に聞く 2017/9/14 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「「同盟国、強力な貿易協定を」バノン前首席戦略官に聞く」です。





 【香港=粟井康夫】トランプ米大統領の最側近だったスティーブン・バノン前首席戦略官・上級顧問は訪問中の香港で日本経済新聞の取材に応じ、日本との2国間の自由貿易協定(FTA)交渉が重要との認識を示した。同氏はトランプ支持層の思想を代表する論客。米国の政策に影響をおよぼす可能性がある。

 ――対中貿易赤字をはじめ不均衡の是正が必要だと主張してきました。

 「私は決して反中派ではなく、中国に深い敬意を抱いている。だが米中の貿易関係は均衡を取り戻さなければならない。中国による過剰供給の輸出は米国の政治も動かしている。過去10年で3.5兆ドル(約385兆円)に当たる技術移転も強制された。経済戦争を続けるわけにはいかない」

 「中国企業による技術取得を狙った米企業の買収も懸念している。トランプ大統領は(知的財産権侵害に関し)通商法301条に基づく調査を始めた。過去の政権がしなかった勇気ある行為だ」

 ――環太平洋経済連携協定(TPP)は中国との経済関係を是正する解になりませんか。

 「米国は自らが一加盟国にすぎない多国間協定に入るべきではない。中国にも反中同盟のようなものと解釈されうる。貿易相手国と直接、強力な関係を結びたい」

 「米国の経済ナショナリストが望むのは日本との強力な2国間の貿易交渉だ。条件も明確だし、日本との軍事的な協力関係も絡められる。韓国にも同じ事が言えるし、ベトナムやフィリピンとも2国間で交渉したい」

 ――対日軍事関係の見直しもあり得ますか。

 「そうではない。提案しているのは、軍事的な協力関係にある国との強力な2国間の貿易交渉だ。率直に言えば、私は日本や韓国はコスト負担を増やし、自国防衛により貢献すべきだと考えている。ただこれは私の個人的な信念で、大統領や政権の考えではない」

 ――日本との貿易交渉での議題は何ですか。

 「農業だけでなく自動車、製造業の製品などあらゆる項目を含めるべきだ。米企業による日本の自動車市場への参入にも不安がある。日本と米国は非常に緊密な同盟国であり、その関係を強力な貿易協定でさらに固めるべきときだ。ただ日本側に熱意があるとは言い難い」

 ――北朝鮮問題に関して「軍事的解決はない」と発言しました。

 「米国と中国が2国間で解決策を見つけ出すのを望んでいる。トランプ大統領の11月の訪中がそのスタートになるだろう。地域の二大国が顔を合わせて議論し、解決策を探るのは理にかなう」

 ――北朝鮮情勢が深刻化しても、米韓FTAを再交渉するのですか。

 「米韓FTAは明らかに米国の役に立っていない。北朝鮮との深刻な状況が、交渉の予備協議を止めるとは思わない」

 ――トランプ政権はアジアから手を引きつつあるとの見方もあります。

 「政権発足後8カ月で多くのアジアの指導者の訪米を受け入れた。オバマ前政権の最初の数年より多い。安倍晋三首相が(当選から)数日で飛んできたのが象徴的だ」

 「中国という巨大な貿易相手国との問題を解決する必要があり、緊密な同盟国である日本の上空にはミサイルが飛んだ。大統領は世界のどの地域よりもアジアに関与してきたし、これからもそうするだろう」

 Stephen Bannon 極右的思想を掲げる米ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」会長。昨年の米大統領選でトランプ陣営の選挙参謀として「米国第一主義」のスローガンを前面に打ち出し、勝利に導いた。 新政権では首席戦略官・上級顧問に就任したが、トランプ大統領の娘婿、クシュナー上級顧問らとの対立が激化。8月に解任された。トランプ氏とは解任後も電話で話すなど良好な関係にあるとされる。63歳。



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