「米中シェアで開発加速」 2018/07/07 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「「米中シェアで開発加速」」です。





【シリコンバレー=中西豊紀】トランプ米大統領が中国への制裁関税を発動した。ハイテク分野で「米国の技術を盗もうとしている」と敵意を燃やす。だが、現場では米中の相互依存が強まっている。人や企業が織りなす協調と打算の「絆」は簡単に分断できない。

(画像:「米中AIサミット」にはアップル創業者の一人、スティーブ・ウォズニアック氏も登壇した)

6月29日、米西海岸のリゾート地で米中の起業家や投資家約300人が集まり、中国の投資ファンドが催す講演会「米中人工知能(AI)サミット」が開かれた。イベントでは、自動運転について中国検索大手、百度の担当者が「走行データを米中でシェアすれば開発スピードがあがる」と発言。米ベンチャーキャピタルの幹部は「中国は政府が本気。スピード感がある。米国も見習う点がある」と持ち上げた。

(画像:中国信通院の担当者もAIの重要性を説いた)

互いの協調をアピールし、中国寄りに聞こえる発言も多かった。だが、シリコンバレーでは珍しいことではないかもしれない。貿易統計では見えないだけで、2国の関係は強まっているからだ。

例えば、中国出身で米国の大学を出て米企業で働く人が多い。スタンフォード大学では2016年に約3900人いた留学生の3割近くが中国からの学生。半導体企業を経営する関係者は「デザインエンジニアは業界でも今や半分くらいが中国出身者ではないか」と話す。トランプ氏が「中国が盗んでいる」と主張する米技術の作り手は、そもそも中国出身であることはもはや少なくない。

気になるのは中国人のUターン現象だ。シリコンバレーの半導体企業の間では最近、華為技術(ファーウェイ)系の海思半導体(ハイシリコン)など中国企業の駐在技術者の帰国が話題に上る。技術流出につながると懸念する人もいる。

複雑なのは米国側も「盗みたい」側である点。DCMベンチャーズの本多央輔ゼネラル・パートナーは「モバイル決済技術は中国が米国より上」と断言する。米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は常々「顔認証で中国に負けている」と不満を漏らしている。

相互に依存しつつもけん制しあう米中の現実。米GGVキャピタルのパートナー、ジェイソン・コスタ氏も「テクノロジー分野では米中の企業と人の関係はもはや分断できない。国同士の言い争いとは分けて考えた方がいい」と言う。



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