「自社株買い」銘柄を探せ 財務健全、ROEに改善余地 2015/08/01 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマネー&インベストメント面にある「「自社株買い」銘柄を探せ 財務健全、ROEに改善余地」です。





 企業が資金調達のために発行した株式を自ら取得する自社株買いが急増している。金融情報会社アイ・エヌ情報センターによると、2014年度に上場企業が実施した自社株買いの金額は前年度から7割増え3兆円を超えた。企業が手元資金を有効活用しようと動き出したことが背景にありそうだ。急増する自社株買いは一般的に株価上昇の材料になりやすい。企業が実施する自社株買いに注目した株式投資の方法を考えてみよう。

 自社株買いはなぜ株価上昇につながるのか。まず1株利益が増えるためだ。企業が取得した自社株は1株利益の計算に使う株式数に加えないため、同じ最終利益でも1株利益が増える形になる。

 次に投資家よりも情報を多く持っている企業が、現在の株価は本来の価値よりも低いとみている、というアピールになる。自社株買いが始まれば市場で流通する株式数が減り、需給改善にもつながる。

 注目度が高まっている自己資本利益率(ROE)の改善効果もある。ROEは企業が稼いだ利益を株主資本で割って計算する。取得した自社株分は株主資本を減らす効果があるため、同じ利益額でもROEは改善することになる。

 株価上昇の材料になる自社株買いだが、いったいどのような企業が実施するのか予想できないものだろうか。SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは「財務体質が健全で手元資金が厚く、かつROEの改善余地が大きいこと」などを挙げる。要はキャッシュリッチでかつ資本効率の改善が必要な企業が対象となる。

 これらの材料で実際に自社株買い予想銘柄を探してみよう。表Bは東証1部上場企業の中から14年度実績で有利子負債比率が低い、手元資金が豊富、ROEが比較的低いという条件で抽出した主な企業だ。こうした条件で探すと今年すでに自社株買いを発表した企業もある。

 加えて自社株買いの要求が強いとみられる外国人株主の比率が高い、あるいは金融機関が売却対象にしている持ち合い株の企業などは、自社株買いに踏み切る可能性が高いとも考えられる。表Bの条件にこうした要素を加えてみるのもいいだろう。

 自社株買いを発表した後でも株価上昇が長引くケースもあるという。傾向としては「初めての自社株買いや、時価総額に対する取得金額の比率が高い自社株買い、1株当たりの取得金額(取得金額を取得株数で割った数値)が発表時点の株価を上回る場合」(阪上氏)が挙げられる。

 もっとも、本来は設備やM&A(合併・買収)など成長投資に資金を回して利益を増やすのが企業の姿だ。それが成長性の評価となり株価上昇につながる。自社株買いはあくまで資金を投資に生かせない場合の次善の策にすぎない。自社株買い=買い材料ではなく、各企業にどのような資金活用が有効なのか、内容を吟味する必要がある。

(佐藤亜美)



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