あの頃抱いた期待思い出す 2018/05/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「あの頃抱いた期待思い出す」です。





この時期にはいわゆる五月病に関する原稿を依頼されることが多い。五月病は私が若いころに使われるようになった言葉だ。記憶では、大学に新しく入った若者が目標を見失ったときに起きる精神的な不調によく使われていたように思う。

(画像:イラスト・大塚 いちお)

まだ大学進学率が高くなかったころの話だ。憧れの大学に入り専門的な勉強ができると期待に胸を膨らませていた若者が、何百人も入る大教室で行われる一方的な講義に失望してしまう。

このような状態になるのは大学生に限ったことではない。職場などでも私たちは新しい環境になじむためにかなりエネルギーが必要になる。特に他の人の気持ちを大切にする傾向が強い人ほど、新しい環境で疲れを感じやすいので注意が必要だ。

新しい環境の仕組みやしきたり、他の人の考えもよくわからない。スムーズに仕事をしたいし、他の人と摩擦を起こしたくない。そう考えて発言・行動するが、それがその場にあっているかどうかもよくわからない。そのようなときに少しでもうまくいかないことがあると、大きな問題のように思えてくる。

いつの間にか独り相撲を取るようになり、ますます疲弊してしまう。このようなときは目の前の問題から少し距離を置き、自分がもともと期待していたことをもう一度確認してみるとよい。

期待があったからこそ、失望もあるのだ。現実は期待通りに進まないこともあるが、期待を意識し実現するための方策を考えることで、期待に近づくことができるようになるし、こころも元気になってくる。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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