こころの健康学 「でも」の誘惑 気をつけて 相手の反応を見る 2016/02/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の健康面にある「こころの健康学 「でも」の誘惑 気をつけて 相手の反応を見る」です。





 前回、相手の気持ちに寄り添うには「大変ですね」と言い切ることが大切だと書いた。しかし、そう言い切って、読み違えていたらどうしようと心配になる人がいるかもしれない。そうしたときは、私たちが日常会話でどのようにしているか、振り返ってみるとよい。

 イラスト・大塚 いちお

 私たちは普段、無意識のうちに相手の反応を見ている。自分の言葉に相手がうなずいたり、「そうですね」「たしかに」などと返答したりすれば、互いの考えや気持ちが通じ合えたと判断し、話を次に進めていける。

 一方、相手が首を横に振ったり、「でも」「しかし」などと答えたりすれば、うまく寄り添えなかったと考えて、もう一度その人の気持ちや考えに目を向け直すことになる。相手がどんな気持ちでいるのか、直接尋ねてみるのもひとつの方法だろう。

 大切なのは、相手の反応に気を配りながら自分の対応を決めていく柔軟性だ。ただ、そうした際に自分の方が「でも」と言ってしまう場合がある。相手が「なかなかうまくいかないんです」と弱気な発言をしたときに、「でも、そんなこと言わないで頑張れ」と話しかけるケースは珍しくない。

 自分は励ますつもりでも、相手は辛さを理解してもらえなかったと思い、頑張りを否定されたように感じるだろう。相手の反応を見ないで、自分の考えのままに一方的に話を進めようとすると、話がかみ合わなくなる。

 自分の思いが強いときや立場が上のときに、こうした例が起こりやすい。職場だけでなく家庭においても、「でも」の誘惑に気をつけた方がよい。

(認知行動療法研修開発センター

大野裕)



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です