こころの健康学 できることから積み重ねる 2018/3/12 本 日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の健康面にある「こころの健康学 できることから積み重ねる」です。





 精神医療の現場で使われる「リカバリー」という考え方は、精神障害を持つ人がその人らしく生きていくことを大切にしようというもので、誰にとっても大切な意味を持つ言葉だ。そうはいっても、精神症状を抱えながら生きていくのは大変なことだ。NPO法人、地域精神保健福祉機構(コンボ)の雑誌「こころの元気+」の特集を読み、あらためてそのことを感じた。

イラスト・大塚いちお

 コンボは精神障害を持つ人やその家族を中心に運営されている団体で、10年以上前の設立当初から「こころの元気+」を発刊している。私も毎月寄稿している。この雑誌は精神障害を持つ人が表紙を飾り、原稿も書くところに特色があり、いろいろと気づかされることが多い。

 最近、この雑誌が「働くこと」をテーマに特集を組んだ。障害を持つ人の法定雇用率が今春上がるためだ。精神障害を持つ人の文章を読むと、障害を持ちながらも自分らしく生きていこうとする姿が強く感じられる。

 まさにリカバリーを実践しているのだが、書かれた文章を読むと、精神障害に苦しみながらも、できることから少しずつ積み重ねていることに気づく。その過程で多くの人に助けられているのを感じ、感謝を大事にする気持ちが特集全体を通して表れていた。

 困った状況に直面したとき、ちょっと立ち止まって周囲の手助けを受けながら一歩一歩進んでいく。そういうこころの持ち方は、精神障害を持つかどうかにかかわらず、私たち誰にとっても大事なことだ。障害を持ちながら生きている人たちの言葉だけに、それが重みを持って感じられた。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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