こころの健康学 ぼんやりとする時間 脳、活動時の情報整理 2016/06/12 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「」です。





 団塊の世代の特徴だろうか。これまで私はほとんど休む暇なく仕事をしてきた。そのためだと思うが、ストレス解消法をよく尋ねられた。

 相手の人は趣味などを聞きたいと考えて質問しているのだろうが、私には、趣味といえる趣味はない。だから、ストレス解消法は「寝ること」くらいだと答えていた。時間ができると、自宅でぼんやり横になったり、ときには長々と眠ったりするのが気持ちよく、それがじつに良いストレス解消になっていた。

 幸いなことに、睡眠が趣味のようになっている私は、日中に長く昼寝をしたからといって、夜に眠れなくなることはなかった。怠け者のようで、少し後ろめたい気持ちにもなるが、ぼんやりとした時間を持つことがこころの健康に大切だということが、脳科学研究からわかってきている。

 脳神経学者が「デフォルトモードネットワーク」と表現しているが、何もしていない時間でも脳は活発に動いている。積極的に考えたり行動したりしていたときに取り込んだ情報をまとめて整理しているのだ。

 その意味では、作業の成果を上げるためには上手に休憩時間を取ることが大切だ。働きづめだと現実に柔軟な目を向けながら対応するのが難しくなる。状況に即した適切な判断や、先を読むことができなくなる。現実に流されるようになり、ミスも犯しやすくなる。善悪の判断ができなくなることさえあるという。

 こうした状態を避けるためにも、慌ただしい世界から離れてぼんやりと自分を取り戻す時間が必要だ。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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