こころの健康学 まず行動・表情を変える 「外から内へ」 2016/01/03 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 まず行動・表情を変える 「外から内へ」」です。





 素晴らしい演技で知られる女優さんと話した際に「舞台に上がるときは、自分が演じている人の気持ちになりきる」という話を聞いた。

イラスト・大塚 いちお

 しかし、なぜかそうした気持ちになれないこともある。そのときは「体から演技に入る」のだという。たとえば、悲しいときは悲しんでいる表情をして悲しんでいる姿勢を取る。そうすると自然にそのような気持ちになってくる。

 まず姿勢や表情から入るという方法は、私が専門とする認知行動療法でいう「外から内へ」という考え方と共通している。それは行動や姿勢、表情を意識することで、気持ちをコントロールしようという内容だ。

 気持ちが沈み込んで、やる気が出ないときは「やる気さえあれば何でもできる」と考えやすい。これは「内から外へ」つまりやる気があって行動という外の動きが出てくるという考え方で、精神的に元気なときには成り立つ。

 しかし、やる気がわかないときは「外から内へ」の考え方を取り入れた方がよいのだ。こちらは行動や表情、姿勢で気持ちをコントロールして、やる気を出す方法だ。やりがいや楽しみを感じられる行動をして、よかったと感じることができれば、脳の報酬系が反応して、またそれをしてみようという意欲がわいてくる。

 年が改まったのを機に、1年間、「外から内」を意識するようこころがけてほしい。笑顔になって、やりがいや楽しみのある行動を積み重ねて、心も体も元気に過ごしていただけたらと思う。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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