こころの健康学 ルーティンの作用 考えすぎの呪縛解く 2016/05/08 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 ルーティンの作用 考えすぎの呪縛解く」です。





 先日、ラグビー日本代表の五郎丸歩選手のルーティンの意味について取材を受けた。あくまでも一般論として、緊張したときに自分を取り戻す方法としてルーティンが役に立つという話をした。

 イチロー選手がバッターボックスに入ったときのしぐさもルーティンのひとつとして有名だが、ルーティンをするのは一流の選手だけではない。私たちも自分の行動を振り返ると、緊張する場面で特定のしぐさをしていることに気づく。それがルーティンだ。ルーティンで緊張の流れを一度断ち切り、自分を取り戻している。その結果、冷静になり、現実の問題に適切に対応できるようになる。

 緊張しているとき、周囲の危険性を大きく考えすぎていることが多い。だから緊張するのだともいえる。緊張しているのだから、実際に危険な問題が起きているのだろう。その問題に対しては、何かしらの解決策を考えなくてはならない。

 緊張が強くて危険性を現実以上に大きく考えるようになるのは、問題に意識が集中しているためだ。問題以外の現実が目に入りにくくなり、問題が現実以上に大きいものに思えてくるのだ。

 問題にばかり目が向くと、いつものような判断ができなくなる。自分を見失って、頭がいつものように働かなくなってくる。体にも必要以上に力が入ってくる。これでは良い解決策が思い浮かぶはずがない。

 そうしたときにルーティンをすれば、本来の自分を取り戻せる。不必要に考えすぎず、自分の力をうまく発揮できるようにもなる。

(認知行動療法研修開発センター

大野裕)



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