こころの健康学 不安と向き合う 思い悩まずやってみる 2016/06/05 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 不安と向き合う 思い悩まずやってみる」です。





 先日、日本自殺予防学会が開かれた。減ってきたとはいっても、今なお毎年2万人を超す人が自ら命を絶っている。そうした人たちを少しでも減らしたいと考える人たちが集まって作った学会だ。今年は自殺対策を議論するアジアの学会との合同開催となり、世界から多くの人が集まって活発な議論が交わされた。

 私も発表の機会を与えられたが、英語で発表し議論をしなくてはならないので気が重かった。しばらく英語に接していない私にとってはチャレンジの体験だった。そもそも私は、人前で話すのが苦手だ。人からどのように評価されるか自信がないからで、話す前にはいつも不安になる。

 今回のように英語を使わなくてはならないと、ますます不安が強くなる。不安が強くなると、私たちはつい、そうした状況を避けようとしてしまう。良くない結果になるのではないかと心配になるからだ。

 しかし、そこで逃げてしまうと一時的に気持ちは楽になるが、結局は逃げてしまったという不全感だけが残る。次に同じような状況に直面したときに、それまで以上に不安になり、緊張してしまうことになる。

 良くない結果になるかどうかは、やってみないとわからない。仮にうまくできなかったとしても、次に工夫するポイントが見えてくることが多い。そう自分に語りかけて学会で発表すると、最終的には発表も討議も無事にこなせた。年を取ってもいまだにこうしたことで思い悩む自分には少しあきれてしまうが、思い切って行動できた自分を少し褒めることができた。

(認知行動療法研修開発センター

大野裕)



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