こころの健康学 不眠の改善 生活リズムの安定 大事 2016/07/31 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 不眠の改善 生活リズムの安定 大事」です。





 蒸し暑い夜が続いて寝つくのに苦労する季節になったこともあり、友人の睡眠の専門家と睡眠薬のプラセボ効果が話題になった。睡眠薬というのは睡眠導入剤ともいわれ、睡眠を改善する薬のことだ。そうした薬の効果を探る調査をすると、薬を飲んだという行為だけで眠気が出てくることが少なくないという。

 理由のひとつに偽薬効果ともいわれるプラセボ効果がある。薬の効果のために眠気が出てくるのではなく、何の効果もない粉を固めただけの偽の薬であっても、薬を飲んだという安心感のために眠気が出てくる心理的作用の効果だ。

 それでは、眠れるようになったのは心理的効果のためだけかというと、必ずしもそうではないと友人はいう。日常生活に支障が出るような不眠のときには睡眠薬は役に立つ。不眠に苦しんでいた人が睡眠薬で生活のリズムを取り戻し、精神的に元気になることは私も外来でよく経験した。だから薬の効果を否定するのは好ましくない。

 大事なのが生活習慣だ。薬の効果を調べるときには生活習慣も同時に調べる。何時に床に入って何時に起きるのか。日中はどのような生活を送り、いつ食事をして、風呂に入っているのか。調査に参加している人は自分の生活パターンに目を向けるようになり、意識するようになる。

 その結果、規則正しいリズムで生活するようになってくる。薬の効果を調べているときに、生活のリズムが安定して不眠が改善することがある。不眠改善薬の効果の研究が、生活のリズムの大切さも実証していたのだ。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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