こころの健康学 今に目を向け脱・落とし穴 2017/6/19 本 日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の健康面にある「こころの健康学 今に目を向け脱・落とし穴」です。





 気持ちが落ち込んで自分の世界に閉じこもるようになった状態を、落とし穴に落ちたようだと表現した人がいる。思いがけないところに落とし穴があり、そこにストンと落ちて、真っ暗闇でまわりが見えない状態を表したものだ。落とし穴に落ちると、いくらもがいてもなかなか抜け出すことができない。

 以前、私たちは、そのような状態になった人が何をきっかけに落とし穴に落ち、どのように抜け出すのかを調べたことがある。もちろん、ストレスを感じる状況におかれることがきっかけになるが、それだけではない。

 ストレスを感じる状態におかれても、つまずく人とそうならない人がいる。つまずく人は考え方に特徴があり、「やっぱり」「また」「いつも」「ずっと」といった言葉が考えの中に含まれることが多い。ストレスフルな現実に冷静に目を向けるのではなく、全体をざっくりとまとめて受け取り、反応する傾向が強いのだ。

 うまくいかない現実があるとしても「ずっと」と言っていると、その現実が続いている錯覚に陥り、現実以上に大変な状況に直面しているような気持ちになってくるから注意が必要だ。

 つまずく人のもう一つの特徴は、過去のことに目を向けることが多いことだ。過去のことをあれこれ思い悩んでいるのだが、過去は変えられない。そうしたときは、今に目を向けて、今何ができるのかを考えることができれば、先に進める可能性が見えてくる。

 落とし穴に落ちたように感じたときには、今何が起きていて、今何ができるのかを考えることが役に立つ。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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