こころの健康学 冬眠状態 脱するには意識して外出しよう 2016/12 /4 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 冬眠状態 脱するには意識して外出しよう」です。





 12月に入って、冬の寒さが本格化してきた。気分が極端に落ち込んで日常生活に支障が出てくるうつ病は、「こころの冬眠状態」とたとえられることがある。心理的に厳しい現実を前にして、自分の世界に閉じこもっていると考えられるからだ。

 このように書くと、現実にきちんと向き合えないこころが弱い人間がかかる病気だと誤解されそうだが、けっしてそうではない。精神的に疲れ、自信をなくしているために、現実が実際以上に厳しく見えてしまうのである。

 こころが疲れてくると、まわりの人からも煙たがられているように感じて、人に相談することもためらわれるようになる。そのために、現実から距離を取って自分の身を守ろうとするのだ。

 しかし、それで身を守れるかというと、必ずしもそうではない。現実から距離を取るというのは現実に向き合えなくなることでもあり、問題に適切に対応できなくなる。その結果、ますます自信がなくなってくるという悪循環に陥る。

 このようなときには、簡単なことでよいので、自分の力でできることを手がけてみたり、楽しめることをやってみたりするのがよい。そうすることで自分を取り戻すことができるし、少しずつだが自信もついてくる。

 冬に限ったことではないが、気分が沈み込みがちのときには、少し意識して外に出たり、体を動かしたりするようにした方がよい。そのようにしてタイミングを計りながら、冬眠の洞穴から出ていけるように準備をすることが大切になる。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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