こころの健康学 受験勉強ムダない思考 学ぶ訓練 2017/2/5 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 受験勉強ムダない思考 学ぶ訓練」です。





 大学入試センター試験の後、問題と解答が新聞各紙に掲載された。私もちょっと目を通したがほとんど答えられない。理科や数学などは、質問の意味さえわからない問題がある。

イラスト・大塚いちお

 もともと理系科目は苦手だったが、ここまで能力が落ちてしまうのかと暗い気持ちになった。しかし医師として社会に出てからは、大学入試で必要になる理科や数学を使うことはなかったからやむを得ない、と自分を納得させようとした。

 それなら何であのような難しい勉強をしないといけないのか疑問に思えるかもしれない。社会に出てから使わないような数学や理科を勉強するのはムダに思える。しかし、ちゃんと意味がある。分野が違っても、基本的な思考過程には共通する部分が多いからだ。

 ある物理の教師は、天体の動きについて説明しながら、それが真実だと証明されているわけではないと言った。しかし、その理論を使うと、現実の現象をもっともムダがなく美しく説明できる。その美しさに惹かれて物理を勉強しているのだと話していた。

 じつは、ムダのない美しさという視点は、こころの健康を考えるときにも大切だ。脳科学や心理学が進歩しても、こころの動きはわからないことだらけだ。だから、こころを健康にする手立てについても、いろいろなアプローチがあたかも真実のように語られる。

 どれを選べばよいか迷うかもしれない。そういうときには、自分の目から見てムダなく美しい理論や手法を選ぶと失敗が少ない。このように私たちは、若いころの勉強を通して多くのことを学んでいるのだ。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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