こころの健康学 思い込みの怖さ 物差しの違い気づけず 2016/05/29 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 思い込みの怖さ 物差しの違い気づけず」です。





 最近、働く人のパフォーマンスの向上やメンタル不調の予防を目的に活動しているビジネストレーナーの人たちが講話のなかで、マルハナバチを引き合いに出しながら「思い込み」の力について話をすることが多いと聞いた。

 その話を聞いて知ったのだが、マルハナバチは、航空力学の理論では飛べるはずがないと考えられていたという。もしマルハナバチが、自分は空を飛べないと考えていたとすれば、とうてい飛ぶことはできなかっただろう。いや、空を飛ぼうという発想さえ出てこなかったかもしれない。

 逆にいえば、自分は空を飛ぶことができないはずだという航空力学の理論を知らなかったからこそ、マルハナバチは空を飛ぼうとしたし、実際に飛ぶことができたのだ。

 私たちは、思い込みによって、本来ならできることをできないと考え、せっかくの可能性をつぶしてしまっていることがよくある。

 同じ「飛ぶ」という現象でも、飛行機のように羽が固定されている物体が揚力を使って飛ぶ場合と、マルハナバチのような昆虫が羽を自在に動かして空中を飛ぶ場合とでは、飛ぶメカニズムが違っているという。そもそも飛行機とマルハナバチとでは大きさが全然違う。そこにも、メカニズムの違いが隠れている。

 思い込みの怖さは、すぐにわかる幾つもの違いに気がつかないままに全く違う物差しで判断して、結論を決めつけてしまっているところにある。一方的な思い込みから解放されれば、私たちは、自分本来の力を発揮できるようになる。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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