こころの健康学 患者の平穏映した笑顔 表紙写真の展示会 2015/08/09 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 患者の平穏映した笑顔 表紙写真の展示会」です。





 先日、日本うつ病学会の学術集会を都内で開いた。テーマは「うつ病とこころの健康環境」としたが、それは、うつ病を単なる脳の病気としてだけでなく、社会的な環境の影響を受けるこころの状態として考えていきたいと思ったからだ。

 そのために専門家だけでなく、精神疾患を持った人や家族、一般市民、地域の保健担当者やマスコミ関係者、国会議員と、多彩な人たちに講演をお願いした。そして「こころの元気+」という雑誌の表紙の展示会も企画した。この雑誌は、精神疾患を持った人たちが中心になって執筆し、発行している。表紙にはそうした人たちがモデルとなった写真が掲載されている。

 創刊から8年、100号にまでなったのを記念し、創刊号からの表紙をすべて展示してもらった。会場に足を運ぶと「モデルは精神疾患をもつ人たち。でも、健康な人たち。」というキャッチコピーと、100人を超す表紙モデルの笑顔の写真が目に飛び込んできた。

 展示会の主催者たちは、表紙の撮影のときの体験からこのキャッチコピーを考えついたそうだ。カメラを前にして、表紙モデルの人たちは、最初は緊張しているが、次第に緊張が解けてくる。写真家は、その様子を見ながら趣味や恋愛、タレントの話題など、表紙モデルが興味を持っていることを中心に会話を進め、その中で生まれた笑顔の瞬間を上手に切り取っていく。

 「写真家が関心があるのは、病気ではなく笑顔なんです」という主催者の話は印象的だった。病気の有無に関係なく、私たちのこころの健康な部分の存在を感じさせてくれた。

(認知行動療法研修開発センター

大野裕)



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