こころの健康学 振り返る時間を確保 一日一度、思考を整理 2016/05/22 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 振り返る時間を確保 一日一度、思考を整理」です。





 マインドフルネスについて改めて考えてみた。マインドフルネスというのは、私が専門にしている認知行動療法のアプローチの一つで、ありのままの自分の状態をそのまま受け入れるこころの状態を指す。

 忙しい毎日を送っていると目の前の問題の処理に追われ、自分の考えや気持ちを振り返る余裕がなくなる。いつの間にか、自分の考えが現実のように思え、現実に目を向けて問題を考えることができなくなる。

 目の前の問題が大きくて自分の手ではどうすることもできないと考えただけで、本当に大きな問題のように思えてきて、本来の力を発揮できなくなる。無気力になって、ますます状況が悪化してくる。これが、いわゆるうつ状態だ。

 だからといって、自分の力を過信するのも問題だ。人生を左右する大きな問題でも、頭の中で大した問題ではないと考えると、ささいなことのように思えてくる。そのために適切な対応をし損なったり向こう見ずな行動を取ったりして、取り返しがつかない状態に自分を追い込んでしまう。

 いずれの場合も、考えと現実が違うことを見失った結果、起きてくる問題だ。そうした状態に陥らないようにするためには、一日一度、ゆっくりと息をしながら全身の感覚を確認し、現実をありのままに受け入れる時間を持つようにする。

 そうすれば、体の違和感だけでなく、こころの違和感にも気づける。日常に流されていた自分を取り戻し、現実の問題にきちんと向き合えるようになる。これこそがマインドフルネスの効用だ。

(認知行動療法研修開発センター

大野裕)



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