こころの健康学 気の置けない仲間 互いを理解、一緒に成長 2016/04/03 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 気の置けない仲間 互いを理解、一緒に成長」です。





 大学時代に私が所属していた体育会空手部の同期が集まった。空手部総監督に就任した同期を激励しようという集まりだ。一緒に稽古した気の置けない仲間たちだ。それだけに空手の話から学生の指導法まで、率直に意見をぶつけ合い、楽しい時間が過ぎていった。

 卒業後40年近くたって、自由に話し合える仲間がいるのはありがたいことだ。慶応義塾大学医学部でこれまで、体育会空手部に所属し全国大会にまで出た学生は、私くらいのものだろう。

 医学部は勉強が忙しいし、体力的にも劣っていて、全学の体育会で活動することは難しい。だから医学部だけでクラブ活動をしている。私の場合、医学部だけでなく体育会でも活動できたのは、良い仲間や先輩に恵まれたからだ。

 いまでも思い出すが、空手の稽古で先輩と対戦した際、真剣にぶつかり合い、扉を破って道場の外まで飛び出したことがある。そのとき、先輩の拳が私の前歯に当たり折れてしまった。

 さすがの私も、それまでとは打って変わってガックリきてしまった。空手部の稽古に出かけようという元気をなくしてしまった。その私を、仲間はしばらくそっとしておいてくれた。

 そして、ある程度時間がたったところで誘いにきてくれた。そのタイミングが絶妙で、それからしばらくして私はまた空手部の道場に出かけるようになった。

 私のアパートに何人かで迎えに来てくれたときの仲間の表情は、いまでもこころに残っている。いよいよ新しい年度が始まる。新入生や新入社員が、仲間との体験を通じて成長していってほしいと願っている。

(認知行動療法研修開発センター

大野裕)



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