こころの健康学 職場環境の改善 達成感は人それぞれ 2016/06/26 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 職場環境の改善 達成感は人それぞれ」です。





 働く人のこころの健康を守る目的のストレスチェック制度が導入されて、職場環境改善が話題になることが増えてきた。大事な議論ではあるが、一般論として画一的に考えることができない難しさもある。

 当たり前のことだが、人によって性格が違うし、大切にしているものも違う。一人ひとりの希望を入れれば、職場全体のまとまりが悪くなる。だからといって、職場優先で考えると、それぞれの社員の働く意欲をそぐ可能性が出てくる。

 ある工場で精神科医として相談に乗っていたときの出来事を思い出す。機械を組み立てる部署で、最初から最後までのすべての工程を1人が担当した方がよいのか、それとも流れ作業でそれぞれの人が一部を担当するようにした方がよいのかが議論になった。

 問題を提起した人は、1人がすべての工程を担当した方がやりがいを感じられてよいのではないかと考えていたが、必ずしも全員が同じ意見ではなかった。

 最初から最後まで責任を持ってやれれば責任感が生まれるし達成感もある。しかし子育て世代の女性からは、すべての工程を担当するのは負担が大きすぎるという意見が出た。子どもが急に熱を出すなどで休まなくてはならなくなることもある。すぐに他の人に代わってもらえるように、流れ作業の一部を担当することにした方が気が楽だ。

 仕事に対する思いは人によって違う。仕事を第一に考える人もいれば、プライベートを優先する人もいる。個別性をどの程度許容するかが職場のメンタルヘルスにとって重要なポイントになる。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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