こころの健康学 興味や関心ごとを話す 笑顔引き出すコツ 2015/08/16 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 興味や関心ごとを話す 笑顔引き出すコツ」です。





 前回、精神疾患を持った人たちが中心になって発行している雑誌「こころの元気+」について紹介した。その表紙に精神疾患を持った人たちが笑顔で写っているのは、写真家が上手に笑顔を切り取っているからだという。そのコツを聞いてみると、私たちが日常生活で生かせる内容だった。

 通常、相手が病気を持った人だというと、病気に関係したことを話題にしがちだ。昨夜はよく眠れたかとか、緊張していないかとか、相手のことを気づかって聞きたくなる。そうすると話題はうまくいっていないことが中心になり、互いの気持ちが重くなる。

 写真家は表紙のモデルになった人たちが興味を持っていることを話題にしながら撮影を続けるという。興味や関心を持っていることの先には希望がある。そこに触れれば、次はこうしてみたいという、先に向かう思いが動き出す。表情は和らぎ、笑顔も出てくる。こうした工夫は、私たちが日々の生活の中でも使える。

 私たちは誰もが、思うようにいかないことに悩まされる。問題の解決は大事だが、すぐには解決できない場合も多い。それをあれこれ考えていると、こころの元気がなくなってくる。「下手の考え休むに似たり」といわれるが、まさにその状態になってしまうのだ。

 そうしたときは、とりあえず考えるのをやめにして興味があることに目を向けるとよい。そうすれば、いろいろなアイデアが浮かんでくる。じつは「こころの元気+」の記事は、精神疾患を持った人たちの工夫がたくさん載っている。私は精神科医として、そこから多くのことを学んでいる。

(認知行動療法研修開発センター

大野裕)



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