こころの健康学 表情や態度、影響大きく 自然な会話 2015/10/18 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 表情や態度、影響大きく 自然な会話」です。





 私が監修しているウェブサイト「こころのスキルアップ・トレーニング」のトップページに認知行動療法を説明する動画を追加した。このサイトで配信を始めてから7年近くたつ。その間に内容が増えて複雑になったこともあり、サイトの使い方を簡単に解説した動画を作ることにした。

 どうせ作るなら会員以外の人も参考にできる内容にするとよいと考えて動画を選んだ。まったくの手作りだが、あらためてビデオカメラの前で話をしてみると、実に話しにくいことに気づいた。当たり前のことだが、いくら私が優しく話しかけてもカメラはまったく反応しない。淡々と作業を続けるだけだ。

 次第に私の表情も硬くなってくる。あわてて柔らかい表情にしようとすると、とたんにしゃべりがぎこちなくなる。人間を相手に話をするときとは、ずいぶんな違いだ。

 会話をする際、私たちは相手の反応を見ながら自分が話す内容を考えている。自分の話に相手が反応し、それに自分も反応する。反応を引き出すのは言葉だけでない。むしろ、表情や態度の方が影響が大きく、相手によく伝わる。

 自分が笑顔になれば、相手の表情も和らぐ。自分が厳しい表情をすれば、相手の表情も厳しくなる。私たちは、互いの表情や態度に反応しながら、気持ちや考えを伝え合っている。そうすることで自然な会話が成り立っていくのだ。

 自分の語りかけにまったく反応しないビデオカメラを前にドギマギしながら、非言語的なコミュニケーションの大切さをあらためて感じた。

(認知行動療法研修開発センター

大野裕)



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