こころの健康学 配慮が人間関係を良好に 悲観と慎重さ 2015/08/23 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の日曜に考える面にある「こころの健康学 配慮が人間関係を良好に 悲観と慎重さ」です。





 私が監修する認知行動療法をテーマにしたウェブサイトに「レジリエンス」に関する質問が寄せられた。この言葉は、私たちが強いストレスを感じてこころが折れそうになったときに、そのストレスを跳ね返し、自分らしく生きていくことができる力のことだ。

イラスト・大塚 いちお

 質問内容は、レジリエンスを高めるためには毎日の出来事に一喜一憂せずに楽観的に生きるのがよいのか、というものだった。質問者は悲観的に考えがちで楽観的になれないことに悩んでいるようにも思えた。

 何事にも楽観的になれると気持ちは軽くなるかもしれないが、必ずしもそれがよいとは限らない。私たちは、あれこれ思い悩むからストレスを感じていることに気づく。ストレスに対処する手立てを考えられるようにもなる。思い悩むことがなければ、思いがけない失敗をすることがある。

 どう考えるのがよいかは文化によっても異なるようだ。米国の調査によると、何事にも楽観的になれる人がこころも体も健康だったという。しかし日本では逆で、心配性で悲観的に考える人の方が健康だった。

 こうした結果になった理由は、次のように説明されている。米国では自己主張をする方が社会に受け入れられやすいのに対し、日本では相手のことを考えて控えめにする方が社会に受け入れられやすいのではないかという意見だ。

 悲観的とはよくない印象だが、慎重だと言い換えることもできる。慎重になれば相手の気持ちに配慮ができて人間関係がよくなる。食べるものにも気をつかうようになり、こころや体の健康にもつながってくる。

(認知行動療法研修開発センター 大野裕)



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