こんな所にも外国人観光客 隠れた宝、発信カギ 2017/2/4 本 日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済面にある「こんな所にも外国人観光客 隠れた宝、発信カギ」です。





 松江市の中心部から約30キロ離れた島根半島東端にある松江市美保関地区。過疎地の不便な港町だが、ここ数年、外国人宿泊者が増え始めた。神社や石畳の街が象徴する古い日本の風情が人気を集めているのだ。

 にぎわう施設の一つが老舗旅館の福間館。約80人が宿泊できる本館に加え、漁師の家を改装したゲストハウス3棟を擁し、田舎暮らしを体験してもらう「しまね田舎ツーリズム」の取り組みに参加している。福間館での外国人宿泊者数は2014年度270人、15年度320人だったが、16年度は4月から12月までで360人に増えた。「静かなたたずまいが欧州からの旅行者に人気だ。宿泊者は国別でフランス、スイス、ドイツの順に多い」(経営者の福間隆氏)

 日本にあこがれ4年前から年数回、日本国内を鉄道で旅するようになったチェコ人の男性会社員、クナペク・ルブミラ氏(33)は、15年11月に初めて福間館に泊まった。「美保関には海があり自然がある。静かで落ち着いた町並みがある。東京や大阪では望めない、のんびり過ごす休暇が楽しめる」。すっかり気に入って、その後は夏と冬の休暇に美保関を訪れるようになった。

 福間氏とも親しくなり、釣りやクルージング、料理などを楽しむ。今回の訪問では、地元で「左義長(さぎちょう)」と呼ぶ、とんど焼きに参加するなど日本の冬を堪能した。

 山口で今、最も勢いのある観光地が長門市の元乃隅稲成神社だ。16年の来訪者は50万人を超えたとみられ、前年比6倍強という繁盛ぶりだ。断崖に123の赤鳥居が並ぶ印象的な風景を、15年に米CNNが「日本の最も美しい場所」の一つに選んでから外国人人気に火が付いた。中国、韓国、欧州から観光客が押し寄せる。数年前まで知られざる名所だったが、今や集客力は秋吉台と変わらない。

 日本人にはメインとなる観光地ではなくても、外国人の訪問が増えている場所は少なくない。岡山県瀬戸内市の備前長船刀剣博物館は、16年4~12月で15年度に並ぶ外国人が訪れた。旅行会社がプランに組み込んでいることが多く、特にフランス人のバスツアー客が多いという。職人が鉄を打つ実技などが人気で、市も特別予算を組んでツアーに合わせて実施している。

 開運を好む香港や台湾など中華圏からの観光客が増えたのは、岡山市の招き猫美術館。16年度は外国人比率が1割に達しそうだという。こうした施設にとって、さらにありがたいのは土産需要。「欧米系の客を中心に、模造刀や包丁を買ってくれる」(刀剣博物館)。「ほとんどの人が金運を高めるという金色の招き猫を買ってくれる」(招き猫美術館)

 アイデアで勝負する自治体もある。岡山県和気町は修学旅行など教育関連需要にターゲットを絞る。地元住民とのふれあいや備前焼作り体験、隣接する備前市にある日本最古の庶民学校・旧閑谷学校見学などのルートを提案。1月には台湾の教育関係者や旅行会社、メディアを対象とした視察ツアーを実施した。

 過疎地でも観光資源に恵まれなくても、特定の外国人客の興味に照準を合わせたメニューを提案できれば光が見えてくる。



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