そこが知りたい 戦略2017(3) 高い成長力 復活し ますか?ファーストリテイリング会長兼社長 柳井正氏に聞く AI で衣料ビジネス一新 2016/12/25 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の企業面にある「そこが知りたい 戦略2017(3) 高い成長力 復活しますか?ファーストリテイリング会長兼社長 柳井正氏に聞く AIで衣料ビジネス一新」です。





 ユニクロを運営するファーストリテイリングは、2020年度の売上高目標を従来より2兆円引き下げ3兆円に設定し直した。足元の売上高の伸び率は1ケタ台にとどまる。今後の成長戦略をどう描くのか。柳井正会長兼社長に聞いた。

 ――なぜ5兆円の売上高目標を見直したのですか。

 「5兆円の旗を降ろしたわけではない。世界でナンバーワンになるためには必要な数字だ。20年度の目標としては3兆円ということだ。社員みんなが自分で考えて実行する『グローバルワン・全員経営』が達成のカギになる。これまでは限られた人しか(成長の)エンジンになっていなかった。世界11万人の全ての従業員がエンジンになる組織にして成長を加速する」

 ――3兆円も今のペースでは目標に届きません。

 「今までの大企業やチェーンストアのように『上の人がいったから』といっても人は動かない。上の人がいうことは大体間違えているし、大ウソだよ。社員全員が自ら判断できるようになりなさいということだ」

 ――いま最大の目標としいる「新しい産業づくり」はどういうものですか。

 「(人工知能=AI=が人間を超えた知性を持つ)シンギュラリティーは遠い未来の話ではない。それに近いことはもう起きている。人工知能は人と対立すると認識されがちだが、自分の能力がアップするパートナーと思えばいい。コンピューターが自分の頭脳をヘルプし、ロボットがサポートしてくれる世界になる」

 「その時、ファストリは服に関することは全て手がける会社になる。服を企画し、生産し、販売してきたが、いまは物流と情報システムに力を注いでいる。ただ、その間にも無数の仕事があり、取引先も無数にいる。全て世界で最先端のやり方に替える。おのずと仕事の仕方も変わっていく」

 ――「グローバル」と「デジタル」を世界のトレンドと話していましたが、反対の動きも出ています。

 「英国が欧州連合(EU)離脱に動き、米大統領選でトランプ氏が勝利した。確かにグローバルに対するローカルという反動が出ている。ただ対抗することに価値はない。グローバルもローカルも共存共栄する」

 ――世界で取引先の工場の情報を公開する動きが広がっている。ファストリはどう対応しますか。

 「時代は変わった。(デジタル化が進み)透明性・公平性・公正性に関する情報は世界中でつながる。(自然に)広がるなら自ら進んで伝えた方が良い。取引先の労働環境も含めて全て責任を取らないといけない。変な工場が無いよう全て公開する。早急にできるよう準備しているところだ」

 やない・ただし 71年(昭46年)早大政経卒、72年小郡商事(現ファーストリテイリング)入社。84年に「ユニクロ」1号店を開き、社長に就任。02年会長、05年社長を兼務。67歳

物流などの改革 収益改善へ課題

 2ケタ成長を続けてきたファーストリテイリングだが、16年8月期の売上高は前の期比6%増の1兆7864億円だった。17年8月期も同4%増にとどまる見通しだ。国内のユニクロ事業は店舗数も頭打ちで飽和感を指摘する声もある。

 だが、柳井正会長兼社長は「アパレルとは異なる産業を作り直す。新しいチャレンジは全てうまくいくとは限らない」と意に介さない。とはいえ成長を続けるには、物流や情報システムの改革をいかに早く収益改善へと結びつけるかが課題だ。生みの苦しみを越えた先に再成長の青写真がみえてくる。

(岩戸寿)



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