どうなる原油市況 識者に聞く 2016/04/21 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット商品面にある「どうなる原油市況 識者に聞く」です。





年末にかけ需給は均衡 英BP・チーフ・エコノミスト デール氏

――主要産油国の協議は不調に終わりました。

 「多くの市場参加者は合意を織り込んでいたため、短期的に不安定な相場となるだろう。ただ原油安を受けた需要増と、米国のシェールオイル減産は続く。年末にかけて需給は均衡し、原油価格も需給を映した水準に落ち着く可能性が高い」

 ――価格の見通しは。

 「不透明な要素が多く今後を予想するのは難しい。価格を左右するのは(1)米国のシェールオイルの生産動向(2)油田開発での投資削減の影響(3)積み上がった原油在庫の行方――の3要素だ」

 「原油価格の反発局面で、米国のシェールオイルがいつ増加に転じるかが焦点だ。銀行が生産企業への融資を絞っているうえ、労働力確保に時間がかかる可能性がある。長期的には生産効率の向上などで、2035年までに生産量は現在の2倍の日量800万バレルに達すると見ている」

 「油田開発への投資額は14年に比べ3割減るとの指摘もある。供給の伸び悩みは3~5年後に需給に響いてくるだろう」

 ――世界経済の減速懸念で需要に影響は。

 「価格低迷で世界的に原油需要は堅調だ。ガソリン利用が多い米国が顕著だが、欧州も需要は増加に転じた。中国のガソリン需要も大きく伸びる。昨年ほどではないが、今年も世界で需要の大幅増が続くと見ている」

増産続き年内は30~40ドル 仏BNPパリバ・コモディティ部門グローバル責任者 チリングイリアン氏

――供給の過剰に歯止めはかかりますか。

 「産油国はシェアを追い、増産凍結という最低限の合意すらできなかった。ナイジェリアやアラブ首長国連邦では生産量が一時的に減っているが、夏に向け再び増える。ニューヨーク原油先物は年内、1バレル30~40ドルで推移すると見る」

 「サウジアラビアが調整役を放棄し、供給を調整するのは原油価格のみだ。価格の長期低迷がコストの高い油田の減産と需要の喚起をもたらす」

 「在庫増には年内に歯止めがかかるが、在庫解消にはさらに1年以上要るだろう。世界経済の減速懸念が強まる中、個人所得の伸び悩みが原油の消費量を抑えかねない」

 ――原油価格は再び30ドルを割り込みますか。

 「米国のシェールオイル油田の多くは採算ラインが30ドル前後だ。30ドルを割れば生産調整が本格化する。シェール企業は今年産分について売値を確定しているのは2割前後で、来年は6%にとどまる。資金繰りは苦しさを増すだろう」

 ――原油安はいつまで続きますか。

 「サウジの戦略は深海やオイルサンドといった高コスト油田の開発を締め出すことだ。開発投資は削減され、2017年以降に新規油田の生産は落ち込む。需要が拡大するなか、18~19年に再び80~100ドルに上昇する可能性もある」



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