やさしい経済学 レベニューマネジメントとは何か(1)価格 設定変え、売上高最大に 専修大学教授青木章通 2018/3/30 本日 の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「やさしい経済学 レベニューマネジメントとは何か(1)価格設定変え、売上高最大に 専修大学教授青木章通」です。





 同じホテルの料金が、宿泊時期や予約のタイミングによって変わっていることに驚いた経験はありませんか。これは航空業界に起源をもつレベニューマネジメントと呼ばれる経営手法(ダイナミックプライシングもその一種)で、売上高の最大化を目的として多くのサービス産業で導入されています。近年の情報通信技術の進歩により、様々な領域の知見を取り込み、高度化が進んでいます。

 レベニューマネジメントは、顧客に提供できる供給量に制約のあるサービス業で採用されています。ホテルを例にして考えてみましょう。例えば4月1日に提供可能な客室数には上限があり、売上高の上限値も決まっています。一方、費用構造をみると、その多くは固定費であり、短期的には宿泊者数の増減にかかわらず費用の総額はそれほど変わりません。この状況で利益を最大化するには、売上高をいかに上限値に近づけるかがカギとなります。

 ある商品に対する需要を操作する最も分かりやすい方法は価格を変動させることです。とりわけ需要の価格弾力性が大きい業界では価格を引き下げると多くの顧客を誘引できます。逆に繁忙期は値引きする必要がなく、定価近くまで価格を上げて売上高の向上を図ります。同時に、顧客層別に異なる商品プランを用意し、早期割引や商品プランの提示で顧客を誘引しながら目標に向けて売り上げを積み上げていきます。

 この際に短期的な売上高の最大化ではなく、長期的な成長に向けて顧客からの評判にも配慮する必要があります。このような体系的な施策をレベニューマネジメントと呼んでいます。

 レベニューマネジメントは航空業界や宿泊業界のほか、ゴルフ場、プロスポーツ界など様々な分野に広がっています。近年急速に広がるシェアリングエコノミーにおいても柔軟な価格設定が重要です。今後は人工知能(AI)の進歩により小規模な事業所などにも普及すると予想されます。この連載では詳しい仕組みやその影響、今後の見通しなどについて解説します。

 あおき・あきみち 慶応義塾大博士課程単位取得満期退学。専門は管理会計



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