やさしい経済学 観光立国と地域の活性化(2)国際旅行者は 世界的に増加北海道大学観光学高等研究センター客員教授 山田桂一郎 20 17/9/22 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の経済教室面にある「やさしい経済学 観光立国と地域の活性化(2)国際旅行者は世界的に増加北海道大学観光学高等研究センター客員教授 山田桂一郎」です。





 小泉内閣が2003年に日本の観光立国化を宣言、08年には国土交通省の外局として観光庁が発足し、政府は数多くの観光振興策を実施してきました。その結果、訪日外国人旅行者数は順調に伸び続け、16年には目標としていた年間2000万人を突破し、次の目標として20年に4000万人、30年には6000万人の達成を掲げています。17年3月には「世界が訪れたくなる日本」を目指して新たな観光立国推進基本計画を閣議決定しました。

 海外から日本を訪れる外国人旅行者は年々増えていますが、日本への旅行者だけでなく、国際旅行者の数は世界的に増加傾向にあります。国際旅行市場は今後も拡大が続く見通しで、国連世界観光機関(UNWTO)は国際旅行者数が16年の12億3500万人から30年には18億人へと5割近く増えると予測しています。

 この成長市場を巡って各国が旅行者の誘致を激しく競い合うなかで、どれだけ取り込めるかが日本経済にとって非常に重要になります。これまでも訪日外国人の消費額は旅行者数の増加と共に伸び続け、観光庁の調査では11年の8135億円から、16年には3兆7476億円に急増しています(ただし、1人当たりの支出額は15年の17万6167円のピークから17年4~6月には14万9248円と約15%も減少しました)。

 政府は訪日する外国人旅行者の数だけでなく、その旅行消費額についても目標を掲げ、20年には16年の2倍以上の8兆円、30年にはさらに2倍近い15兆円に増やそうとしています。

 島国である日本に日帰り旅行で来る外国人はほとんどいないため、入国した外国人が日本国内で全く消費せずに出国することはありません。外国人旅行者が増えるのに伴い、国内の消費額も必ずある程度は増えることになります。それでは政府が掲げる目標通りに外国人旅行者数が増え続ければ、多くの外国人が観光で訪れる地域の経済は活性化するでしょうか。

 観光による地域経済の活性化を目指すためには、外国人旅行者数とその消費額の伸びに注目するだけでは不十分であり、ほかにも重要な指標があることを次回に説明します。



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