アジアマネーと向き合う(上)投資も「インバウンド」 膨らむ個人資産、日本株へ 2015/10/02 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「アジアマネーと向き合う(上)投資も「インバウンド」 膨らむ個人資産、日本株へ」です。





 タイの首都、バンコク中心部の高級ショッピングセンター「セントラル・エンバシー」で7月、日本株で運用する投資信託のセミナーが開かれた。企画したのはタイ最大の商業銀行、バンコク銀行グループのBBLアセット・マネジメントだ。富裕層中心に約50人の個人投資家が参加した。

タイ・バンコクの中心部で開かれた日本株投信セミナー

 同投信は野村アセットマネジメントの協力で2014年11月に発売。販売残高は日本円換算ですでに100億円近くに達し、タイでは異例のヒットという。

 「多くの人に日本株をもっと身近に感じてもらいたい」。BBLアセットのマネージング・ディレクター、ピーラポン・ジラセヴィジンダ氏は力を込めた。

 夏場以降、不安定な動きが続く日本の株式相場だが、長い目でみると日本株を買う外国人の裾野は着実に広がっている。とりわけ存在感が高まっているのがアジアの個人マネーだ。

 「日本株投信はこの1~2年、東南アジアで急速に増え、タイでは新商品が相次いでいる」と、東京証券取引所シンガポール支店の杉山順之支店長は話す。現地の運用会社が日本株投信に力を入れるのは、「大胆な金融緩和で脱デフレが進む」というわかりやすい構図に注目したためだ。

 米国が利上げに踏み切れば新興国から資金が流出する懸念があり、東南アジアの通貨や株価が大きく下落している。日本株も乱高下しているが、「(業績などに)より安心感のある日本株を安く買うチャンスと見る向きが目立つ」(大和証券キャピタル・マーケッツ香港の森正幸氏)という。

 先行きは中国経済の失速懸念などがくすぶるものの、中長期で見るとアジアマネーはさらに膨張する可能性が大きい。

 ボストンコンサルティンググループが6月にまとめた世界の家計金融資産によると、アジア・太平洋地域(除く日本)は14年末に47兆ドル(約5600兆円)と前年に比べ29%増え、西欧(39兆ドル)を初めて上回った。19年の予想で75兆ドル強に拡大し北米(62兆ドル)も超える。北田容一パートナーは「経済成長に伴い資金の蓄積が進む」と話す。

 安い労働力の供給地だったアジアは、経済成長につれ巨大な消費市場となり、マネーの供給源として存在感を高めつつある。これからアジアでも高齢化が進むとみられ、それを踏まえるとアジアの年金マネーも今後は大きな存在になる。

 観光や小売業でのインバウンド(訪日外国人)消費と歩調を合わせるように、にわかに広がり始めたアジアからの「インバウンド投資」。その流れがどこまで続くかは、日本の株式市場の動向を大きく左右する。



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