アジアマネーと向き合う(下)日本株買い越し5.7兆円 投資家開拓、企業も行脚 2015/10/03 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「アジアマネーと向き合う(下)日本株買い越し5.7兆円 投資家開拓、企業も行脚」です。





 香港でこの夏、日本のトップアナリストの引き抜きが話題になった。みずほ証券で機械を担当していた桜田順司氏が英系ヘッジファンド、マーシャル・ウェイスの香港拠点に移ったのだ。「日本株には多くの投資機会がある。ロボットなど先端分野に精通した桜田氏に期待している」と、同ファンドの幹部は話す。

チャン氏は「日本株は中長期で上昇基調が続く」と話す

 日本から専門家を採用したり、日本の金融機関と連携したりして、日本株ビジネスを強化するアジアの運用会社が増えている。

 マレーシアのアフィン・ホワン・アセットマネジメントには日興アセットマネジメントが出資。2014年から日本の割安株に投資する投信を販売し始めた。

 「不安定な動きが落ち着くには時間がかかりそうだが、日本株は中長期で見て上昇基調が続く」と、チーフ・マーケティング・オフィサーのチャン・アイメイ氏は話す。日本株投信の運用成績は同社が扱うファンドの中で上位にある。

 アジアの資金は多様だ。同じマレーシアのRHB・イスラミック・インターナショナル・アセット・マネジメントには、イスラム法に基づき日本株に投資するファンドがある。同法が禁じる酒やたばこ、銀行などを除く業種から銘柄を選ぶ。重点投資するのは電子部品と医療機器。「革新的な製品を打ち出す力がある」と、運用担当のモハマド・ファリズ氏は言う。

 日本の証券会社も地道に投資家の開拓を進める。タイに拠点を置くキャピタル・ノムラ・セキュリティーズ(CNS)社長の中村貴仁氏は、「これから本格的に貯蓄から投資への流れが進む」と指摘し、現地で情報提供に力を入れる。

 企業も動く。制御装置大手のナブテスコは今週、韓国と台湾で初のIR(投資家向け情報開示)説明会を開いた。海外売上高比率は4割超、外国人株主は過半数に達している。責任者の松本敏裕氏は「アジアの投資家の存在感が高まっており、手厚く対応したい」と話す。

 12年11月に「アベノミクス相場」が始まって以降、アジアの投資家による日本株の買越額は累計約5兆7000億円で、外国人の買越額の3割弱を占める。01年以降の小泉政権時代の上昇相場ではアジア比率は約1割にとどまっていた。

 香港やシンガポールなどで日本株投信の販売残高が約65億ドル(約8000億円)に上るイーストスプリング・インベストメンツは、日本の経済政策は有効だと訴え資金を集めてきた。アベノミクスに陰りが見られるなか、アジアマネーを今後もひきつけられるか。日本株の真価が問われる。

 荻野卓也が担当しました。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です