アマゾン、革新の戦略 宅配危機、発明で乗り切る上級副社長 ラッセル・グランディネティ氏 2017/6/24 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「アマゾン、革新の戦略 宅配危機、発明で乗り切る上級副社長 ラッセル・グランディネティ氏」です。





 人工知能(AI)の開発からリアル店舗の運営まで米アマゾン・ドット・コムが攻勢を強めている。大企業病に陥らず、革新的な試みを続けられるのか。重要な日本市場での戦略は。アジアや欧州などの小売事業、世界シェア3割強を握るクラウドサービス「AWS」などの技術開発をそれぞれ統括する幹部に聞いた。

 ――顧客密着の経営にこだわっています。

 「顧客は決して満足しない。発明のフロンティアを追求し続ける必要がある。より安く、品ぞろえが豊富で、便利なものへの顧客の要求は不変だ。顧客に密着すれば、長期的な視野をもてる」

 ――理想の社風は。

 「失敗を許容する企業文化なしに、商機は生かせない。いいアイデアなら誰でも発言できる民主的な議論も大切だ。トップダウンだけでは健全さが失われる」

 ――日本では荷物急増と人手不足で宅配サービスに支障が出ています。

 「既存業者でも新規参入者でも、パートナーと協力し、優れたサービスをつくる。方法は見つかる。将来はドローン(小型無人機)や自動運転車が使われるだろうが、配送網や労働力の再配置といった短期の対策でも効率を高められるはずだ」

 ――宅配会社が値上げを求めています。

 「どんなサービスも継続可能な料金設定でないといけない。ただ、輸送は石油のように限りある資源とは違う。顧客ニーズがある限り、競争や発明によって料金やコストの解決策を導き出せる」

 ――通販の契約で納入業者に最安値を保証させる条項を日本で廃止しました。なぜですか。

 「欧州でも電子書籍に関する契約条項を自発的に見直した。規制当局の懸念に応えつついかに事業で勝つか。常に適切なバランスを探っている」

 Russell Grandinetti 証券アナリストなどを経て98年入社。電子書籍の部門などで幹部を歴任した。46歳

大企業病分散・自律で防ぐ最高技術責任者ワーナー・ボーガス氏

 ――AWS事業が堅調な理由は何ですか。

 「昨年、1千超の新機能を追加した。9割は顧客の要望だ。我々はデータセンターを自ら改良し、かつてない大規模なものを築いている。90種類ものサービスがある」

 ――巨大化しても機動力を保てますか。

 「イノベーションが止まればアマゾンもつぶれる。AWSはサービスごと90のベンチャー企業の集まりといえる。それぞれが開発計画を持ち、独立運営する。分散と自律が素早く動く秘訣だ」

 ――音声操作のAI搭載の家電が好調です。

 「端末自体の能力は限定的だが、クラウド上の知能と連携し、さまざまなサービスが成り立つ。自動車メーカーなどが自社製品に組み込むこともできる。音声サービスの事業機会は大きく、クラウドと相乗効果がある」

 ――あらゆる産業でIT(情報技術)戦略が問われています。

 「思いがけない領域からもライバルは現れる。製品・サービス開発のため実験的な試みをしたいという企業は多い。(柔軟にITを調達できる)AWSを通じ、経営のデジタル化を促していく」

 ――日本企業の今後をどう見ますか。

 「製造業の歴史があり、あらゆるモノがネットにつながるIoTが重要な役割を担う。工場の自動化やサプライチェーン管理は、新たなデータの流れを生む。革新的なIoT活用が可能だろう」

Werner Vogels 米コーネル大学の主任研究員を経て入社。専門は企業向けシステム。05年から現職。58歳



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