アメリカどこへ 経済再生の鼓動 (2) 米リスクマネー絶えず 新型金融、起業の支えに 2014/02/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際2面にある「アメリカどこへ 経済再生の鼓動 (2) 米リスクマネー絶えず 新型金融、起業の支えに」です。





 米テネシー州ナッシュビル。3年前に音響ベンチャー、オーリソニックスを立ち上げたデール・ロット氏は今年2月、目標の10倍に達する20万ドル(約2050万円)の資金集めに成功した。「ロケッツ」と名付けた新型イヤホンの原材料費などに充てる。

オーリソニックスは草の根の資金調達で成長を目指す(テネシー州ナッシュビル)

1200人が投資

 同氏が使ったのは、起業家と個人を結びつけるインターネットの仲介サイト。完成したら誰よりも早くイヤホンを送るという言葉に引かれ、米国を中心に約1200人が100~200ドルの資金を投じた。会社設立時から金融機関はまったく融資に応じてこなかったが、新たな資金調達の道が開かれた。

 約14人の従業員がナッシュビル郊外の小さな倉庫でイヤホン作りに励む。「会社をどんどん大きくし、高品質のメード・イン・USAを守っていきたい」。ロット氏は意気込む。

 米国ではネットを通じ、個人が有望な起業家を支援する「クラウド(大衆)ファンディング」が広がる。この「草の根金融」を後押ししているのは、米政治の中心であるワシントンだ。

 これまでは出資に応じて商品やサービスを受け取る「購入型」が主流だった。だが、米証券取引委員会(SEC)は昨年10月、個人がベンチャー企業に直接出資し、配当や値上がり益を得る「株式型」を認める規制緩和を提案した。今年中には施行される見通しだ。

 2008年の金融危機で経済の血脈を担うウォール街は目詰まりを起こした。米銀は再び体力をつけてきたが、今度は規制強化の壁が立ちはだかる。間隙を縫うように、従来の金融の枠組みを超えたマネーの潮流が生まれようとしている。

 「今後はソーシャル金融で(個人的に)融資をするのは控えて下さい」。米銀大手ウェルズ・ファーゴでは昨年12月、一部の行員にこんなメッセージが届いた。

 ネット上で投資家と個人を結びつけるソーシャル金融。金融機関を介さないため、学生ローンなどを有利な金利で貸し借りできる利点がある。危機後の米銀大手の融資業務の縮小で台頭した新しいサービスだ。

 大口投資家には元シティグループ最高経営責任者(CEO)のビクラム・パンディット氏も名を連ねる。ウェルズ・ファーゴなど伝統的な金融機関にとって看過できない存在になりつつある。

ファンド攻勢

 大型の投融資では病み上がりの銀行に代わってファンド勢が攻勢をかける。米買収ファンド大手アポロ・グローバル・マネジメントは昨年末、新たなファンドを設定した。投資家から集めた資金は約180億ドルと金融危機以降で最大規模だ。「ファンド業界の力強い成長を映したものだ」。マーク・スピルカー社長は胸を張る。

 買収ファンド最大手ブラックストーン・グループがホテルチェーンのヒルトンを傘下に収めたのは07年。抜本的な経営再建で、ヒルトンは昨年12月に念願の再上場を果たした。ファンドの資金が経営不振の企業に向かい、再生の起爆剤になる。そんなマネー循環への期待が高まる。

 個人から企業にまで染み渡る潤沢なマネーは危うさもはらむ。株式市場では株主還元の強化を迫る

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