インド中銀、ラジャン総裁最後の決定会合 インフレ抑制貫く 2016/08/10 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際2面にある「インド中銀、ラジャン総裁最後の決定会合 インフレ抑制貫く」です。





 【ムンバイ=堀田隆文】インド準備銀行(中央銀行)は9日、今年9月に退任予定のラジャン総裁にとり最後の政策決定会合を開いた。同氏は政策金利を据え置き、最後までインフレ抑制重視の姿勢を貫いた。2013年9月の就任から積み上げてきた実績をもとに、後任総裁率いる新体制が政策姿勢を引き継いでいくことへ期待を見せた。

 政策金利は2会合連続で据え置いた。直近6月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は5.77%。準備銀が17年3月の目標とする5%を上回る。金融緩和姿勢を継続しつつも物価動向を見極めるとした。

 ラジャン総裁は会合後の記者会見で自身によるインフレ抑制策について「適切だったかどうかは5~6年後に初めてわかる」と指摘。「次回以降の金融政策の決定は(後任総裁という)個人ではなく合議制で決められるだろう」と話した。

 ラジャン氏は14年1月、物価抑制での目標設置と、総裁1人が決めてきた金融政策の意思決定への合議組織(金融政策委員会)導入を提言。実現を訴えてきた。

 政府とCPIの前年同月比上昇率を4%から上下2%に収める物価目標で合意。構成メンバーを巡り準備銀と政府が対立する局面もあった合議組織については両者がそれぞれ3人を出すことで落ちつき、設置に向け最終調整に入っている。ラジャン氏は構想の実現後に自身の物価抑制路線が続くことへの期待を見せた。

 もう一つの改革として進めてきた銀行の不良債権処理に関し「銀行は着実に動いている。準備銀と政府もしっかりと協力している。(自身の退任後に)活動が後退するとは思わない」と話した。

 だが、準備銀の政策運営には不透明さも残る。最大の課題は独立性の維持だ。合議組織の導入では政策決定の透明性向上が見込める半面、政府指名メンバーを通じ政府の関与が高まる恐れもある。適切な運営の可否は後任総裁に負う部分が大きいが、指名権がある政府の人選は遅れている。

 モディ政権は人選作業で与党の支持基盤の政治団体、民族義勇団(RSS)の意見も聴取しているもよう。だが、再任が見込まれていたラジャン氏が退任を決めた背景には、同氏の政策や政治的発言を快く思わなかったRSSの反対がある。国内外で評価が高いラジャン氏の退任に至る経緯自体が中銀の独立性維持への懸念を高めている。

 中銀の独立性が弱まれば産業界からの反対が根強かった不良債権処理などの改革が骨抜きになりかねない。ラジャン氏は自身に対する批判について「批判は常につきまとうものだ。最も大事なことは最後の日まで価値ある貢献をすることだ」と話すにとどめた。



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