インド中銀総裁、後任候補は 構造改革路線の継承焦点 2016/06/21 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「インド中銀総裁、後任候補は 構造改革路線の継承焦点」です。





 【ムンバイ=堀田隆文】インド準備銀行(中央銀行)のラジャン総裁が9月の任期満了で退任すると表明し、同氏が進めた経済の構造改革路線が引き継がれるかに注目が集まる。巧みな政策運営で改革に取り組んできたラジャン氏の後任は誰か、早くも候補の名前が挙がっている。

 20日の外国為替市場でインド通貨ルピーは前週末17日夜と比べ一時、対ドルで1%弱下落した。この日、他のアジア通貨が英国が欧州連合(EU)を離脱することへの警戒が和らいで軒並み上昇する中での下落となった。一方でインドの株価は約1%上昇した。

 18日のラジャン氏の退任表明から、初めて市場が本格的に動き出す20日、インド経済を支えてきた同氏がいなくなることへの不安で印市場は混乱するとの見通しも強かったが、結局大きな波乱には至らなかった。

 足元の経済が安定している中、様子見の姿勢が広がった。あるインド証券アナリストは「後任候補の選定など事の成り行きがはっきりしていけば、市場に強い反応が出てくるかもしれない」と話す。

 地元メディアは、ラジャン氏の後任候補として10人ほどの名前を挙げている。インド財務省の首席経済顧問を務めるアルビンド・スブラマニアン氏は、ラジャン氏と同じく国際通貨基金(IMF)で働いた経験を持つ。その後、14年に顧問職に迎えられた国際派の経済学者だ。

 準備銀内ではウルジット・パテル副総裁が有力視される。ラジャン氏の片腕として金融政策の前線で活躍してきた。野村証券インド法人エコノミストであるソナル・ヴァルマ氏は「すでに政府や準備銀で働くスブラマニアン氏とパテル氏はラジャン氏の政策を引き継ぎやすい」と分析する。

 商業銀行最大手の国営インドステイト銀行の女性トップ、アルンダティ・バッタチャリヤ会長の名も取り沙汰される。

 ラジャン氏が評価されてきたのは、市場との対話を重視した巧みな金融政策に加え、銀行部門の不良債権処理など痛みを伴う改革も進めてきた点だ。さらに中銀総裁という枠を超え、政府の経済政策や政治問題にも積極的に発言してきた。

 だがそうした姿勢が、経済界の既得権益層やモディ政権の支持基盤である政治団体、民族義勇団(RSS)の反発を招いた。ラジャン氏の後任がこうした政治の介入をかわしながら大胆な改革を続けるのは簡単ではなく、インド経済の将来に不透明感が漂っている。



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