エコノフォーカス 消費低迷、増税のせい? デフレ慣れ・可処分所得伸びず・耐久財需要先食い 2016/03/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合・経済面にある「エコノフォーカス 消費低迷、増税のせい? デフレ慣れ・可処分所得伸びず・耐久財需要先食い」です。





 個人消費がさえない。政府は3月の月例経済報告で個人消費の判断を「消費者マインドに足踏みがみられる」と下方修正した。原油安や賃金の緩やかな改善といった好材料はあるのに、消費増税前の水準に戻らない。1997年は増税直後にアジア通貨危機に見舞われたが、当時と比べても低迷は長引いている。消費はどうしてこんなに弱いのか。(藤川衛)

 2014年4月の消費増税から間もなく2年がたつ。物価変動の影響を除いて比べるため国内総生産(GDP)統計の実質値を見ると、増税前の13年度に316兆円あった個人消費は14年度に307兆円に減った。「増税前の駆け込み需要の反動」と誰もが考えた。

14年度を下回る

 だが個人消費はその後も戻らない。直近の15年10~12月期は年率換算で304兆円。14年度を下回る低空飛行が続く。

 安倍晋三首相は22日に開いた国際金融経済分析会合にクルーグマン・プリンストン大名誉教授を呼んだ。首相が「日本は増税で消費が力強さを失っている。欧州ではそれほど影響がない」と話すと、クルーグマン氏は「どうして日本で悪い影響が出るのかよくわからない」と応じた。

 考えられる低迷の理由は、大きく3つある。

 まず「デフレ慣れ」だ。値下げに慣れきった消費者は増税と物価上昇で節約志向を一層強めた。所得のうちどれだけ消費に振り向けたかをみる消費性向は増税前に75%程度だったが、直近は72%に下がり、消費者の財布のひもは堅くなった。

 97年の消費税率の引き上げ幅は2%だったが、14年は3%と上げ幅が当時より大きく、駆け込み需要も想定以上に大きかった。買いだめを一気にしたツケともいえる。

 2つ目は、税や保険料支出の急増だ。毎年のように国民年金保険料や厚生年金保険料が上がり、介護保険料や健康保険料も上がっている。せっかく賃金が上がっても保険料の増加が打ち消してしまう。安倍政権の3年間で税や保険料支出は5000円近く増えたが、可処分所得は2000円強の伸びにとどまる。

 第3に「消費喚起策」のはずの政策が需要を先食いした点だ。23日の記者会見で、石原伸晃経済財政・再生相は「家電エコポイントやエコカー減税が(需要の先食いに)結構効いている」と話した。耐久財消費は14年1~3月期に55兆円だったが、15年10~12月期は40兆円にとどまる。

サービスがカギ

 石原経財相は「爆発的に買いたいようなものが出てくれば、消費は伸びる」と期待を込めた。しかし、ヒット商品は乏しい。大和総研の長内智エコノミストは「テレビや自動車の耐用年数が長くなり、高齢化で買い替えも起きにくい」と分析する。

 消費者は節約一辺倒ではないかもしれない。15年の旅行や外食などサービス消費は171兆円と過去最高で増税後も堅調だ。モノからサービスに移る消費行動の変化をしっかりとつかむことが消費回復のカギを握る。



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