オバマ氏の広島訪問 米識者に聞く 日米協力の強化に寄与 米戦略国際問題研究所(CSIS)日本部副部長 ニコラス・セーチェニー氏 2016/05/29 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際面にある「オバマ氏の広島訪問 米識者に聞く 日米協力の強化に寄与 米戦略国際問題研究所(CSIS)日本部副部長 ニコラス・セーチェニー氏」です。





 米国の現職大統領として初めて広島を訪れ、「米国をはじめとする核保有国は核兵器のない世界を目指す勇気を」と演説したオバマ大統領。米国政治に詳しい識者2人に評価を聞いた。

 「戦争の恐ろしさを考えさせる感動的な演説だった。オバマ氏の被爆者との対面が、訪問と演説をより歴史的なものにした。演説トーンは適切だったと思う」

 「微妙な言い回しで日米や国際社会の指導者には国際秩序を維持する共通の責任があり、核不拡散をその中心的な課題にすべきだと訴えた」

 「我々は核の不拡散と削減に取り組むべきだが、核兵器による拡大抑止力が日本の安全保障に不可欠であり、日米同盟の核となる要素であるのも事実だ。現実を認めつつも長期的な目標に向けた努力を怠るべきではないというのがオバマ氏のメッセージだと思う」

 「演説が核不拡散や核抑止力、安全保障を巡る包括的な議論を促すことにつながれば、重要なレガシー(政治的遺産)となろう」

 「オバマ大統領と安倍晋三首相は日米同盟の堅固な枠組みを築いてきた。今回の訪問は特に核不拡散問題での協力強化につながるのではないか。安倍首相の真珠湾訪問を求める声が出るかもしれないが、個人的には日米同盟の将来に焦点を当てるべきだと考える」

(ワシントン=芦塚智子)

 Nicholas Szechenyi ジョンズ・ホプキンス大で国際経済・日本研究の修士号を取得。2005年からCSIS研究員。日米関係や米国の東アジア政策に詳しい。

逆効果、核廃絶に不必要 米ヘリテージ財団上級研究員 ブルース・クリングナー氏

 「米国の観点から適切な歴史的文脈を欠いていた。米国には40万人の犠牲者がいたが、もし広島や長崎での出来事がなければ米の犠牲者は少なくとも倍増していたし、数百万人の日本人も命を落としただろう」

 「オバマ氏は広島訪問で過去の亡霊を刺激した。日本と韓国の和解への取り組みを損なう恐れがある。韓国には、米は韓国ではなく日本を選び、米韓の緊張を高めたとの見方もある」

 「『核なき世界』は理想主義だ。米国に核弾頭を打ち込むための長距離弾道ミサイルを北朝鮮が発射した。オバマ氏は北朝鮮などの独裁者に対抗して結束するよう、世界の指導者に呼びかけるべきだった」

 「オバマ氏が広島に行く前に安倍晋三首相が真珠湾を訪れるのが適切だったという指摘が出ている」

 「オバマ氏の広島訪問は核廃絶には不必要で逆効果だ。2009年のプラハ演説での見解を改めて明確にしたいのだろうが、世間知らずだ。誰も核兵器の廃絶などできない。オバマ氏が核兵器の起動装置を持った軍当局者を広島に同行させたのは皮肉なことだ」

(ワシントン=川合智之)

 Bruce Klingner 米国防大卒。米中央情報局(CIA)で朝鮮半島情勢の分析を担当。2007年からヘリテージ財団。日米関係や北朝鮮情勢、米国の対アジア政策などに詳しい。



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