グローバルオピニオン ナショナリズム克服を 元中国人民日報論説委員 馬立誠氏 2014/07/28 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のオピニオン面にある「グローバルオピニオン ナショナリズム克服を 元中国人民日報論説委員 馬立誠氏」です。





 日本政府は歴史問題についてこれまで何度も謝罪してきた。日本の平和主義は評価すべきで、日本の軍国主義が復活することはない。中国は日本に対して冷静で理性的な態度で接しなければならない。憎しみに未来はない。

 中国にもハト派とタカ派がいる。ハト派は改革開放の鄧小平路線を継承している。タカ派はメディアで日本との戦争を唱えている。鄧小平路線がなお主流だが、ナショナリズムとポピュリズムが強まっている。中国の指導者には愛国的な考えを高めたい気持ちがある。

 国内総生産(GDP)で中国が日本を抜いたことで、中国人の一部は『自分たちは強くなった。もう日本を恐れる必要はない』と思うようになった。中国のテレビでは多くの反日ドラマが放映され、憎悪の連鎖につながっている。

 中国メディアの一部の記事は日本を刺激しており、よくない。ナショナリズムは団結力を高める良い面もあるが、理性的ではないナショナリズムは中国の国益にならないだけでなく、国際的な孤立につながってしまう。

 中国のナショナリズムに刺激され、日本でもナショナリズムが台頭している。中国たたきをすると売れる雑誌があると聞いている。中国と日本は競争し、刺激し合っている。戦えば共倒れになる。日中は互いに自制し、ナショナリズムを克服すべきだ。

 中国でも、このような考えを持つ人は多い。私の提唱した「対日新思考」を受け入れる人は多くなっている。交流を通じて摩擦を減らすべきだ。若い世代が古い世代の憎しみを超え、未来に向かって良い日中関係を築いてほしい。

 日中関係は長期的に見るべきだ。今の困難は一時的なもの。習近平政権の対日政策は良くなると思う。しかし懸案の解決は難しく、日中両国の努力が必要だ。1年から3年の長い時間が必要だろう。

 日本側には釣魚島(日本名・尖閣諸島)をめぐって係争があるという事実を認めてほしい。そのうえで問題を棚上げすべきだ。

 お互いに言い分を主張するだけではだめで、よい解決策を考えるべきだ。一触即発の状況にあり、衝突が生じてはいけない。まずは危機管理が必要で、協議していく必要がある。ともにメンツを保つ形で妥協はできないだろうか。

 安倍晋三首相が再び靖国神社を参拝しないよう望んでいる。日本の首相の靖国神社参拝には賛成しない。参拝すると問題はさらに深刻になってしまう。中国を刺激せず、互いに誤解を招かないようにしてほしい。

 日本の政治家が従軍慰安婦問題などでほかの国を刺激する発言をするのは残念だ。政治家が中国の国民感情を逆なでしており、発言を控えめにしてもらいたい。

(談)

Ma Li Cheng 中国青年報や人民日報の評論員(論説委員)を歴任。香港フェニックステレビを経て現在は北京で研究を続ける。専門は中国の社会変革。67歳。

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