コンパクトシティを考える(1)都市の人口減り「スポンジ化」 2018/06/21 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「コンパクトシティを考える(1)都市の人口減り「スポンジ化」」です。





私たちは今、本格的な人口減少社会の入り口に立っています。日本の総人口は2008年にピークを打った後、毎年20万人前後のペースで減少してきました。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、今後このペースが上がり、20年代は毎年50万~70万人、30年以降には毎年70万~90万人もの減少となるのです。

人口減少の影響はすでに表れ始めています。働き手不足、空き家の増加、郊外住宅価格の下落、コンビニ売上高の飽和……。これまで人口増加のメリットを享受してきた都市にとって、人口減少は大きな挑戦を意味します。

人口減少が進むと都市は「スポンジ化」するといわれます。全体の規模は変わらなくても、経済活動や居住区域が縮小するため、内部に無数の穴があいたような状態になるからです。こうなると社会資本の維持コストは同じなのに利用効率は低下し、税収も減るので自治体財政が逼迫します。

そこで近年、人口減少に合わせて都市規模を縮小する「コンパクトシティ」の考え方が注目されるようになりました。都市の経済活動の密度を維持しつつ、社会インフラを効率利用し、財政を健全に保とうというわけです。この連載では、成り行きで都市が縮む「縮小」に対して、人口減少という現実に合わせて戦略的かつ賢く撤退しながら都市を再構築し、再活性化していく主体的な取り組みを「縮退」と呼びます。

「縮退都市(shrinking city)」の概念はドイツに由来するといわれます。ドイツでは1970~80年代に産業構造が転換し、製造業の衰退と工業都市からの人口流出に悩まされました。東西ドイツ統一後の90年代には旧東独地域からの人口流出も経験し、「産業構造転換に伴う人口減少と都市再生」が大きなテーマとなりました。

同様の問題意識は、北米の五大湖周辺の諸都市でも共有されています。少子高齢化によって人口が減っている日本とは異なるものの、都市の人口減少という課題に直面している点では共通性があるといえます。

もろとみ・とおる 京都大博士(経済学)。専門は財政学、環境経済学



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