コンパクトシティを考える(7)経済的インセンティブ活用 2018/06/29 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「コンパクトシティを考える(7)経済的インセンティブ活用」です。





立地適正化計画(以下は計画)は縮退化に有効でしょうか。都市中心部への集積を促す仕組みを備えている点で優れていますが、郊外開発を抑制する手段は持たないため、縮退化の効果が減殺されかねません。

郊外開発の抑制は都市計画法のゾーニングに基づく規制的手法の役割になります。都市計画区域は、市街化を促す「市街化区域」と、開発行為が原則として抑制される「市街化調整区域」に大別されます。計画の下で集積を促す「都市機能誘導区域」と「居住誘導区域」は市街化調整区域を含まないので、「集約化は計画、郊外開発抑制は市街化調整区域」の役割分担が可能です。

ところが本紙(4月21日朝刊)によれば、2017年末までに計画を作った自治体は、誘導区域外で開発が届け出られても過半のケースで対応していません。勧告権限の行使は1件のみ、情報提供・調整して開発計画の変更に至った事例は皆無でした。積極的に権限を活用し、縮退化へ誘導しようとはしていません。

それどころか自治体は、都市計画法に基づく条例を制定すれば、市街化調整区域内でも開発を許容することができます。本紙の調査によれば、計画を持つ自治体の約3割がこうした規制緩和を実施しています。

以上のように規制的手法は実効性を欠いています。これを経済的手法で補い、規制の実効性を高められないでしょうか。富山市が採用した移転補助金は、中心部への移転に経済的インセンティブを与える点で経済的手法の一種といえます。逆に郊外開発の抑制が目的の経済的手段として「開発負担金制度」があります。

フランスでは開発に対して一定以上の密度を求め、満たされない場合は「低密度税」を課すという経済的手法を導入しています。日本でも規制を柔軟化する一方、縮退化には正の経済的インセンティブを、郊外開発には負の経済的インセンティブを付与するように設計できれば、合理的意思決定の結果として縮退化が選択されるはずです。



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