コンパクトシティを考える(8)土地利用権を集約し有効活用 2018/07/02 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の「コンパクトシティを考える(8)土地利用権を集約し有効活用」です。





人口減少時代には所有と利用の分離を進めつつ、利用権を束ね、望ましいまちづくりを進める組織の必要性が高まります。人口減に伴い、空き家や空き店舗など有効活用されない資産が増えますが、放置したままではスポンジ化が進んで街が荒廃します。そこで所有権と利用権を分離し、利用権は集約してまちづくり組織に委ね、有効活用することが重要になるのです。

これを実行して成功した有名な事例として高松市の丸亀町商店街があります。この商店街もかつて、郊外大規模店舗の影響で衰退に見舞われました。そこで商店街は土地の利用権を、所有権から切り離して共同化し、所有者が共同出資するまちづくり会社に管理運営を委ねたのです。この会社の業務は各分野の専門家が担当し、高い管理運営能力を持っています。

興味深いのは、所有者といえども商店街で商売を継続できるとは限らない点です。売り上げ目標を達成できない所有者は商店街からの退場を迫られ、所有権に応じた配当で生活する不動産業に転じることを推奨されます。こうしたドライなルールが導入されたのは、まちづくり会社が利用権を活用した収益最大化を目的としているからで、実力本位制の採用こそが商店街の再生に成功した大きな要因なのです。

空き家・空き地問題への対処と都市再生の主体として、米国中西部の都市で重要な役割を果たしているのが「ランドバンク」です。基本的役割は空き家や固定資産税滞納物件を取得し、それを利用する意思と能力を持つ第三者に譲渡することで地域の荒廃を防ぎ、納税物件に戻すことです。地域の魅力向上のため、投資を行うこともあります。ランドバンクは所有と利用の分離に基づき、所有者に代わって長期的視野から空き家・空き地問題に対処するまちづくり主体だといえるでしょう。

都市再生特別措置法が4月に改正され、まちづくり団体などの「都市再生推進法人」が低未利用地を一時的に保有し、利用希望者に引き継ぐ業務を行えるようになりました。まだ米国のランドバンクには距離がありますが、日本でも第一歩が踏み出されました。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です