サウジ、原油シェア低下 主要15市場中9市場で ロシア・イラクが攻勢 イラン増産に警戒感強く 2016/04/20 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット商品面にある「サウジ、原油シェア低下 主要15市場中9市場で ロシア・イラクが攻勢 イラン増産に警戒感強く」です。





 世界最大級の産油国サウジアラビアが原油シェアを落としている。世界の主要15市場のうち9市場でシェアが低下した。ロシアなど他の産油国による販売攻勢が響いた。17日に開いた増産凍結に向けた産油国の会合で、サウジはイラン抜きでの合意を拒否した。増産姿勢を強めるイランの台頭で、シェア低下への警戒感を強めている。

 主要15市場の原油シェアを調べた英調査会社FGEによると、サウジは2015年に9市場で13年よりシェアを落とした。「市場拡大と同じペースでサウジは海外シェアを伸ばせなかった」(FGEのジェネイト・ガザコグル氏)。サウジのジュベイル外相は相次ぐ増産で原油価格が1バレル30ドル台に低迷していた3月、「シェアを維持する」と言い切ったが、戦略は空回りしている。

 サウジのシェア低下が目立ったのが中国だ。15年は15.4%と首位を守ったが、13年に比べ4ポイント低下した。輸出量も日量約99万バレルと6万バレル減った。「自動車の保有台数の増加や、原油安による国家備蓄の伸長などで需要は旺盛」(丸紅の栃本恵一・石油貿易課長)で、中国の全輸入量は日量650万バレルと19%増えたのと対照的だ。

 一方、他の産油国の中でロシアとイラクは躍進した。サウジのシェアが下がった中国は、独立系の中小製油所や石油化学企業に15年から原油の直接輸入を順次解禁、「ロシアはこの流れに乗った」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之氏)。ロシアは地理的に近く輸送コストの安い東シベリア産原油の中国への輸出を拡大。8.8%(4位)だったロシアのシェアは、15年に12.6%(2位)に拡大。サウジを超える月もある。

 イラクは価格で対抗した。米情報会社プラッツによれば、13~15年にイラク産の代表油種はサウジ産を下回る価格で推移。約1ドル安い時期もあった。イラク戦争で減った生産は、外資誘致で15年に日量約400万バレルと3倍まで拡大。イラクの中国でのシェアは9.7%と1.3ポイント上昇した。

 サウジは韓国、台湾、欧州でもイラクの安値攻勢にさらされている。米国ではシェール革命で原油の輸入が減少。南アフリカは地理的に近いアンゴラやナイジェリアからの輸入を増やした。

 足元でもシェア争いは激しい。イランの代表油種は制裁解除後にサウジ産に比べ値引きが顕著だ。米クリッパーデータによると、インドでも「3月のイランの輸出は日量50万バレル増えた」。原油輸出を解禁した米国も立ちはだかる。産油国のシェア争いが原油相場に水を差す可能性もある。



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