シェア経済、ようやく前進 民泊法が成立 2017/6/9 本日の日 本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の総合面にある「シェア経済、ようやく前進 民泊法が成立」です。





 住宅に旅行者を有料で泊める民泊を解禁する法律が9日に成立し、日本でも「シェアリングエコノミー」の仕組みづくりがようやく前進する。民泊仲介で最大手の米エアビーアンドビーの国内の利用者は5月末までの1年間で500万人に上り、これから合法的な登録物件が増える見通しだ。民間予測ではシェア経済は2020年度に600億円市場に成長する。次はライドシェア(相乗り)の解禁が焦点になる。

 住宅宿泊事業法(民泊法)が参院本会議で成立した。石井啓一国土交通相は同日の記者会見で「民泊は騒音やゴミ出しで社会問題化している。一定のルールを定めて民泊の健全な普及を図る」と述べた。

 エアビーの国内登録物件は6月時点で5万件を超え、ほかの仲介業者も追いかけている。特に中国の仲介サイトは中国語で貸し手とやり取りができる安心感が中国人観光客に人気で、利用者を着実に伸ばしている。

 中国系民泊サイト「自在客」は16年度の利用者数が約2万人と前年度の2倍に増え、登録物件は1万4千件に上る。中国から5月に家族で訪れた王龍海さん(30)は「価格がホテルより割安で、自宅のようにリラックスできる」と魅力を語る。

 法的にグレーゾーンもあった民泊の解禁によって、日本のシェア経済は成長に弾みがつく。矢野経済研究所の調べによると、シェア経済の市場規模は15年度に285億円。東京五輪に向けた民泊の需要拡大を通じ、20年度には600億円市場に拡大すると見ている。

 ただ、問題も多い。日本の民泊市場に関心を示すのは現在、米中などの海外仲介業者10社ほどが中心とされる。百戦錬磨など日本の業者は16年に運用が始まった東京都大田区などの特区の合法物件に仲介を限定してきたこともあり、中国勢と比べても出遅れ気味だ。

 日本でエアビーの仲介サービスを使う日本人の比率は約2割に増えたが、社会への浸透は中国や韓国などアジアに比べて遅い。民泊法の成立後も観光庁に登録せず「ヤミ民泊」を続ける業者の存在も指摘される。新法が180日とした年間営業日数の上限も「少なすぎる」「監視が難しい」など意見が割れる。

 シェア経済自体は生活の様々な場面に広がってきた。国交省の調べでは、公共の場にある自転車を借りて使うシェアサイクルは昨秋時点で約90の自治体が導入。都内では赤い自転車が目印のシェアサイクルを通勤などに使う人が増え、千代田区など6区で4千台超が稼働している。次の焦点は自家用車で乗客を運ぶライドシェアの解禁だ。

 タクシー業界を中心に反発は強く、日本交通の川鍋一朗会長は「日本人はリスクの許容度が低く、ライドシェアは広がらない」と主張する。国交省もライドシェア解禁には慎重な姿勢を示している。世界では導入が進む米ウーバーテクノロジーズのサービスも日本では京都府の過疎地など一部に限られている。



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