シンガポール首相、対中国「対立より協調を」 2016/09/30 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の国際1面にある「シンガポール首相、対中国「対立より協調を」」です。

リー首相の発言は、順序として、中国に大国としての責任を果たす必要性を説いた上で、全ての国が中国の存在感に適応し、自制する必要性を述べています。この順序が逆であれば、大変なことです。中国は早く大国としての必要な素養(マナー、エチケット)を身に付けるべきでしょう。





 シンガポールのリー・シェンロン首相は29日に都内で開いた講演会で、存在感を高める中国に対し「すべての国が適応し、自制する必要がある」と述べ、日米や東南アジア諸国は中国と対立より協調すべきだと訴えた。東シナ海や南シナ海の問題を念頭に「中国は他国の懸念に気を配るべきだ」とも語り、中国にも国際法に基づく抑制的な姿勢を求めた。

 「中国は台頭する大国としての責任を果たさなければいけない」

 リー首相は中国に対してこうクギを刺した。南シナ海で人工島をつくり軍事拠点を設けるなど海洋進出が活発になるなか「近隣国の不安が高まっている」と指摘。「安定した外部環境は中国にとっても大きな利益だ」と海の憲法と呼ばれる国連海洋法条約など「法と秩序」に基づいた平和的な取り組みを促した。

 一方で中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)などは「貿易や投資で新たな機会が生まれる」と評価。中国の台頭は、周辺国の経済成長やインフラ開発を後押しする動きになると指摘した。そのうえで国際通貨基金(IMF)などの国際機関で発言力を高めようとする中国の行動を「主要国は配慮し受け入れるべきだ」と日米などに理解を求めた。

 「東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国が、『一つの国』になるのは無理だろうが、協力できることもある」

 南シナ海問題を巡って足並みの乱れが指摘されるASEANに関しては多様性を維持すべきだとの考えを示した。国連海洋法条約に基づく仲裁裁判でフィリピンが7月に中国に勝訴したものの、ASEANとしては判決を支持する共同声明を出さなかった。

 リー首相は欧州連合(EU)は「ASEANより緊密に調整をしているが、問題も抱えている」と地域統合の複雑さを指摘。ASEANも中国から多額の援助を受けるラオスやカンボジアの例を挙げつつも「国際法に基づいて平和的に解決すべきだとの意見では一致している」と説明した。

 「構造改革は最も重要で、日本政府は大胆な動きが必要だ」

 リー首相はアジアの経済発展に欠かせない日本経済の活性化を求めた。安倍政権が掲げる経済政策アベノミクスで第3の矢と呼ばれる構造改革の遅れが指摘されるなか、日本政府に真剣に取り組むよう促した。環太平洋経済連携協定(TPP)の早期批准も求め、TPPを構造改革のエンジンにすべきだとの考えも示した。

 具体的には、シンガポールがこれまで積極的に進めてきた外国人労働者の受け入れに関し「国民感情にかかわる神経質な問題なので、コントロールしながら徐々に進めるべきだ」と語った。女性の社会進出を後押ししたり、子育て環境を改善して出生率を高めたりする必要性も強調した。意識改革を促すためにも、中国や韓国に比べて減っている日本人の海外留学を増やすべきだと指摘した。



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