ジム・ロジャーズ氏「日本株、保護主義がリスク」 ドル・商品は 上昇続く 2016/12/14 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞の投資情報面にある「ジム・ロジャーズ氏「日本株、保護主義がリスク」 ドル・商品は上昇続く」です。





 著名投資家のジム・ロジャーズ氏が取材に応じ、トランプ次期米大統領の登場で当面はドル高と商品相場の上昇が続くと予測した。世界的な保護主義が2017年の最大のリスクだとしてトランプ氏の実際の政策を注視する姿勢を示した。日本株は円安が追い風となっているが、保護主義の広がりが悪影響を及ぼす可能性を指摘した。

 ――トランプ次期米大統領の誕生で米国の株式相場が上昇しました。

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「日本株は買い増さない」と話すジム・ロジャーズ氏

 「トランプ氏が大規模な減税やインフラ投資、金融関連の規制緩和などを掲げていることから米国の株価は上昇した。ただ、巨額の資金を必要とするインフラ投資は議会との対立など難航も予想され、米新政府が本当に政策を実施できるか注視する必要もある」

■金価格は低迷

 ――ドル高を受けて新興国からは資金が流出しています。2017年の新興国、商品市場の展望をどうみますか。

 「ドルの上昇と新興国通貨の下落は当面、続くだろう。市場関係者は安全とみなすドル資産に資金を回帰させている。有望市場である中国やインドも資金流出の例外ではいられない」

 「商品相場の上昇も続く。トランプ氏が掲げる巨額のインフラ投資は工業用金属や原油の需要を拡大させる。銅や亜鉛などの価格はすでに上昇している。石油輸出国機構(OPEC)の減産合意には注目しない。彼らはいつも数カ月後には約束を忘れてしまう。一方でドル高を受けて金価格は低迷する。金は空港や道路などインフラ整備にも使われない」

 ――17年はフランスの大統領選などが控えます。世界経済のリスクは。

 「最大のリスクは貿易戦争や孤立主義だ。世界中でグローバリズムや自由貿易を嫌悪する保護主義の動きが強まっている。第2次世界大戦前にも同様の動きが起こり、景気後退や多くの倒産が摩擦を引き起こした」

■控える財政問題

 ――トランプ氏は米国第一主義を掲げます。

 「保護主義は一時的に米国の鉄鋼や石炭、銀行などにプラスに働くかもしれない。しかし中期的には経済を悪化させる。トランプ氏は環太平洋経済連携協定(TPP)から脱退するという。そうなれば東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を進める中国の存在感がさらに強まる。それが鮮明になり、米国が後悔するのは20年後だ」

 「私はトランプ氏が変心し、極端な保護主義を採用しないと期待している。政治家は状況に応じて考えを変えるものだ。ただ仮に彼が変心して貿易戦争を回避できても、中期的には減税などによる過度の財政支出の問題が浮上してくる。私は来年後半にも株価が下落し、2~3年内に世界経済は厳しい状況に陥るとみている」

 ――トランプ相場をきっかけとした円安が日本株の追い風になっています。

 「円相場が1ドル=120円程度まで安くなり、株価が上昇する可能性はあると思う。私は日本株を既に保有している。だが買い増ししようとは考えていない。日本株の上昇は経済の本当の実力ではなく、円安の後押しを受けているだけだ。米新政権の下で貿易戦争が起きた場合に日本株が悪影響を受けることも心配している」

 「私は(トランプ次期大統領の誕生で対米関係が改善するとされる)ロシアへの投資では利益を得た。今後もロシアの短期債券などに投資するつもりだ」

 ――米連邦準備理事会(FRB)は12月に追加利上げするとの観測が強くなっています。

 「FRBは追加利上げを実施し、来年も再び利上げするとみている。ただ、トランプ氏が貿易障壁を構築する方針を打ち出せば、来年の利上げは難しくなる」

(聞き手はNQNシンガポール=日高広太郎)



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