スクランブル 「次の押し目」心待ち 業績拡大、欧米より割安感 2015/07/03 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合1面にある「スクランブル 「次の押し目」心待ち 業績拡大、欧米より割安感」です。





 一時、前日比の上げ幅が200円を超えた2日の東京株式市場。ギリシャ問題で大揺れとなった今週初め、投資経験の豊富な個人投資家や運用会社のファンドマネジャーが狙ったのは、急落で値ごろ感が高まった銘柄だ。今期の日本企業の業績は米欧を上回る増益率が期待され、投資妙味が大きいと見る猛者たちは「下がったら買う」と、次の押し目を心待ちにしている。

 「今日も中小型株を買い増ししました」。自己流の割安株投資で資産を数十億円規模に膨らませ、ネット上で「今亀庵」のハンドルネームで知られる個人投資家の男性(65)は2日、ソフト不具合検査のハーツユナイテッドグループ株に数百万円規模の買い注文を入れた。週初の調整で株価は1カ月半ぶりの安値を付け、「絶好の投資機会」とばかりに資金をつぎ込んだ。

 北関東在住で投資歴14年の個人投資家(51)が目を付けたのはソニー株だ。6月30日の公募増資の発表後、株価は300円超下げた。「今後の業績改善を考えれば仕込み時だ」と判断し、2日に300株を買い増した。

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 虎視眈々(たんたん)と押し目買いに動くのは個人にとどまらない。運用の現場に30年近く身を置く投資助言会社ビスタマックス・ファンド・アドバイザーズの藤原正邦代表は6月下旬まで控えてきた金融株への投資を再開。最近、保険株を買い増した。

 藍沢証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネージャーが目を付けたのも、電鉄株や金融株だ。「ギリシャ・ショックに起因する株価下落は短期間で収まる」と、今週に入って運用資産に占める電鉄株などの組み入れ比率を増やした。

 投資家たちが揺るがぬ強気を保っているのは、業績拡大というはっきりとした買いの根拠があるためだ。ゴールドマン・サックス証券の試算では日本の主要企業の2015年度の利益成長率は23%。円安や個人消費の回復を追い風に収益が伸び、主要地域で唯一の2ケタ台で16年度も増益が続く見通しだ。「(株価は)ほかの先進国市場に比べて割安感がある」と、キャシー・松井チーフ日本株ストラテジストは指摘する。

 ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは日本株の先行きを占う上で、PER(株価収益率)を注視する。市場が予想する今期の主要企業の増益率をもとにはじくと、PER15倍の水準が日経平均で1万9800円、PER16倍は2万1000円強になる。井出氏は「日経平均は2万円前後を下限に、2万1000円を目指す動きになる」と読む。

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 もちろん5日の国民投票を前に揺れるギリシャ以外にも、先行きの不安材料は尽きない。「最大の懸念は中国株の変調だ。バブルがはじけて個人の消費マインドが冷え込めば日本株の下押し要因になりかねない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券)からだ。米利上げを巡る思惑で相場が不安定になるリスクもあり、日本株も海外の材料と無縁ではいられない。それでも「下げたら買い」を狙う投資家たちは、次に急落する局面をにらんで既に動き始めている。

(湯浅兼輔)



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