スクランブル 厚み増す投信マネー 個人、目先の下げに動ぜず 2015/10/23 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合1面にある「スクランブル 厚み増す投信マネー 個人、目先の下げに動ぜず」です。





 世界景気の先行き不透明感が強まり、様子見ムードが漂う株式相場の一角で、投資信託に個人投資家の資金が流れ込んでいる。9月に日本株に流れ込んだ資金は約4000億円。5カ月連続で流入超となった。相場の下落局面で押し目を拾うしたたかな個人投資家の資金が相場を支えている。

 22日、主力株が鈍い値動きを続けるなか、中小型株で目を引く動きがあった。半導体製造装置部品のフェローテックが一時3%高と急反発。材料は大量保有報告書だ。午前中にフィデリティ投信の買い増しが判明し、追随買いが広がった。

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 フィデリティは8月から断続的にフェローテック株を買い増しており、大手運用会社が選ぶ銘柄を丹念に拾う個人の買いを呼び込んでいる。株価は7月末から3割上昇している。

 投資部門別売買動向によると投信は8週連続の買い越し。累計買越額は約4100億円と中国景気不安から広がった調整局面で海外勢の売り(約3兆1000億円)の一部を吸収した。

 足元でも「個人の投信の押し目買い意欲は衰えていない」(みずほ証券の三浦豊氏)という。

 中長期の視点で運用する投信にとっては、相場の調整局面は割安な水準で狙った銘柄を買う好機になる。

 日興アセットマネジメントが8月末に新規設定した世界のロボット関連株に投資する「グローバル・ロボティクス株式ファンド」は1カ月半で純資産残高を1500億円に伸ばした。

 運用資産の3割強を日本株に投資し、組み入れ上位にはファナックやキーエンスが並ぶ。両社の株価は中国景気の失速による業績悪化懸念の売りに押され、株価は調整している。だが日興アセット商品開発本部の千葉直史氏は「ロボットで工場を自動化する流れは止まらず、成長は続く」と強気だ。この投信だけで400億円を超える資金が関連株に入ったとみられる。

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 少額投資非課税制度(NISA)の導入をきっかけに、若い世代が販売手数料や信託報酬の低い投信を買う動きも広がる。都内に住む30歳代の男性会社員は、10月上旬、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS JPX日経400インデックス」を約10万円分買った。販売手数料のかからないノーロード投信だ。先行きは一段高になるとみて、「今は買い時」と話す。

 投信調査会社モーニングスターの朝倉智也社長は、「個人投資家が経験を積み、相場が崩れてもろうばい売り一色にならなくなってきた」と指摘する。リーマン・ショックや欧州の債務危機など、かつては世界の市場が動揺するたびに投信からも資金が流出していた。だが「中国ショック」に揺れた今年8月、日経平均が荒い値動きを繰り返すなか、日本株投信には4300億円の資金が入った。

 日本でも存在感を高めつつある投信マネー。米国の投信純資産残高(6月末時点)は2100兆円と日本の10倍以上の規模を誇り、はるか先を行く。今は細い資金の流れを強く太くするには、短期のショックに揺さぶられない個人投資家層の厚みをさらに増す必要がある。

(湯浅兼輔)



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