スクランブル 売られすぎ銘柄に注目 中国・欧州関連に見直し論 2015/07/11 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合1面にある「スクランブル 売られすぎ銘柄に注目 中国・欧州関連に見直し論」です。





 10日の日経平均株価は反落したが、乱高下した前日までに比べひとまず落ち着きを取り戻した。ギリシャの債務問題に中国株バブルの崩壊が重なり、6月下旬以降、東京市場でも中国や欧州関連とされる銘柄の急落が目立った。中には慌てた投資家の売りで実力以上に下げた銘柄も少なくない。冷静になってファンダメンタルズ(基礎的条件)に立ち戻り、個別銘柄の株価を点検する必要がありそうだ。

 10日の日経平均は75円安で引けた。指数への寄与度が大きいファーストリテイリングが日経平均を135円押し下げており、これを除けば実質的には続伸だった。海外の懸念材料はまだくすぶっているが、少なくとも動揺は収まった。

 6月下旬以降の相場急落局面で売り込まれたのが、市場で「中国関連」や「欧州関連」とされる銘柄だ。日経平均が年初来高値を付けた6月24日から7月10日までの下落率は中国関連のコマツ、TDK、伊藤忠商事は軒並み2ケタに達した。欧州関連のマツダは7%弱下げ、下落率は日経平均(5%強)を上回った。

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 ただ、各社の収益構造を考慮すると「ここまで売られる必然性は感じない」(セゾン投信の瀬下哲雄氏)との声もある。例えばコマツ。中国の売上高比率は数年前は20%以上あったが、2015年3月期は7%弱にすぎない。逆に米州は約33%と中国の5倍に達し、もはや「中国関連」という分類も不適切だ。

 TDKも中国に工場を持つ自動車やスマートフォン(スマホ)業界に部品を供給しており、中国などアジアの売上比率が約70%と高い。だが納入先の自動車やスマホの最終消費地は大半が日米欧で、中国向けは小さいのが実態だ。

 中国関連株と中国株との関係について、SMBC日興証券の阪上亮太氏は「昨年後半から中国株が急上昇する中でも、中国関連株は追随していなかった」と指摘する。開発投資や設備投資も活発だった07年前後の中国株バブルと異なり、今回は株だけが急騰し、実体経済は減速している。これが中国関連株が追随して上がらなかった理由だ。

 裏返せば中国株バブルの崩壊で売られる理由もないわけだ。中国政府の景気刺激策の効果で7~9月期以降の景気が上向けば「中国関連株は物色のチャンス」(阪上氏)という。

 「マツダなどを買い増そうと思っている」。ある国内投資会社の運用部長はこう話した。欧州関連の印象が強いマツダだが、世界販売台数に占める欧州の比率は前期で約16%(08年3月期は約24%)に下がっている。実際の収益源は北米(前期の比率は約30%)であり、運用部長は好調な収益は揺らがないと判断した。

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 今は「企業のファンダメンタルズを無視した売買が目立つだけに逆にチャンス」(外資系証券)。実際、米運用会社メロン・キャピタル・マネジメントなどが、コマツ株を6月末までに買い増している。

 7月下旬に本格化する上場企業の4~6月期決算で収益の実態は浮き彫りになるだろう。単純な分類ではなく実力を見極めた上で、選別する動きが広がる公算が大きい。

(田中博人)



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