スクランブル 成長する内需株 浮上 訪日客関連、買い安心感 2015/06/19 本日の日本経済新聞より

今日の日経注目記事は、日本経済新聞のマーケット総合1面にある「スクランブル 成長する内需株 浮上 訪日客関連、買い安心感」です。





 18日の日経平均株価は4日続落し、1カ月ぶりに2万円の大台を割り込んだ。市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果をみて弱気になり、ギリシャ金融支援問題を懸念してリスクオフに傾いた。海外の動向に、さすがに「鈍感」でいられなかった日本株。この日、投資マネーは「成長する内需株」に向かった。

 東京証券取引所が18日発表した6月第2週(8~12日)の投資部門別売買動向は、外国人が1726億円と6週ぶりに売り越しに転じた。だが、インベスコ・アセット・マネジメントの小沢大二取締役運用本部長は、「外国人は日本株に対して関心は失っていない。海外の年金基金など長期投資家は中小型を中心に銘柄を探している」と話す。

 手掛かりは18日に年初来高値を付けた銘柄にある。

 この中で目立つのが、訪日外国人客(インバウンド)の消費増が収益成長に結びつきそうな銘柄だ。前日に日本政府観光局が発表した5月の訪日外国人客数は164万人と前年同月比50%増えた。

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 化粧品「雪肌精」が訪日外国人の人気を集めているコーセーの株価は一時、前日比220円高の9430円まで上昇し、上場来高値を更新した。クレディ・スイス証券の森将司アナリストは「インバウンド需要で業績の上振れ余地が大きい」とし、目標株価を従来の8200円から1万200円に引き上げた。

 あるいは寿スピリッツ。本社は鳥取県米子市で、北海道などで展開する菓子ブランド「ルタオ」が中国人旅行客らに好評だ。16年3月期の連結純利益は13億円と最高を更新する見通し。「ここへきて国内外の機関投資家からの問い合わせが増えた」という。

 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「相場全体が下落する中、訪日客の増加で値下がりしにくい銘柄として安心感があった」と話す。景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄の側面を持つが、成長も期待できるという。

 インバウンド需要の増加と株高には連動性が見て取れる。アベノミクス直前の2012年11月と比べると、月間の訪日観光客数はほぼ2倍。日経平均も2倍以上になっている。

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 インバウンド銘柄の裾野は広がっている。商業施設の企画・施工を手掛ける丹青社は「観光客の増加を受け、ビジネスからラグジュアリーまでホテルの内装工事が増えた。商業施設の工事需要にも期待している」と説明する。同社株もこの日が高値だ。

 もちろん、インバウンド需要が伸び続けるには、円安持続などが前提になる。アバディーン投信投資顧問の窪田慶太インベストメント・マネジャーは「インバウンド関連は割高な水準まで上昇している銘柄が多い」などと慎重だ。

 海外要因で日本株を買いにくい中で、投資マネーが注目する息の長いテーマの一つがインバウンド関連。「収益が安定した内需関連でありながら、アジアの成長も取り込める」(みずほ証券の佐藤和佳子シニアアナリスト)という2つの強みを持つ銘柄が広がってきた。

(戸田敬久)

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